2012 Fiscal Year Annual Research Report
物語・説話における絵画化の起源と変容の研究ー日本近世刊本・写本を中心に
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21320034
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Research Institution | The Museum Yamatobunkakan |
Principal Investigator |
浅野 秀剛 公益財団法人大和文華館, その他部局等, その他 (70511137)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中部 義隆 公益財団法人大和文華館, その他部局等, その他 (70416262)
瀧 朝子 公益財団法人大和文華館, その他部局等, その他 (90416264)
宮崎 もも 公益財団法人大和文華館, その他部局等, その他 (10416266)
古川 攝一 公益財団法人大和文華館, その他部局等, その他 (70463297)
植松 瑞希 公益財団法人大和文華館, その他部局等, その他 (70610335)
田中 宗博 大阪府立大学, 人間社会学部, 教授 (80217083)
徳原 賜鶴子(青木賜鶴子) 大阪府立大学, 人間社会学部, 教授 (60180139)
西田 正宏 大阪府立大学, 人間社会学部, 教授 (00305608)
大平 桂一 大阪府立大学, 人間社会学部, 教授 (50194197)
河野 道房 大阪府立大学, 人間社会学部, 准教授 (90195678)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 美術史 / 国文学 / 物語 / 説話 / 絵画化 |
Research Abstract |
本研究は物語や説話のどの部分がどのように絵画化されるかという問題について、分野を超えた視野から考察するものである。物語・和歌、説話・仏典、童蒙・勧戒系の三系統のテキストの絵画化がどのように行われるか研究し、その成果を共有することで、物語・説話絵画の全容を体系的に解明することを目指す。 テキストがどのように絵画化されるのか、データを蓄積するため、昨年度から引き続き、多くの作品を調査した。国内の美術館・図書館・寺社などの作品を調査した他、海外調査も行った。ニューヨークでの調査においては、メトロポリタン美術館、バークコレクション、ウェバーコレクションの所蔵する源氏物語図屏風、伊勢物語図屏風、平家物語図屏風など、物語絵の優品を調査し、江戸時代前期の物語絵を中心として、その特徴についての考察を深めた。 また、研究実施計画に沿って、大和文華館において研究会を開催した。研究会では、個々の研究の成果を発表し、研究状況を確認、問題点を共有した。2012年度開催の研究会では、「明時代後期における夢の図像化」「仇英筆〈桃李園金谷園図〉について―明代庭園文化の中の故事人物図」と題し、明時代の絵画や版本を取りあげた発表を行った。テキストと絵画化の問題や日本の版本との関係などが明らかにされ、各分野の専門を反映した意見交換を行い、今後の方向性について確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
作品調査を順調に行い、三系統のテキストの絵画化に関するデータの蓄積が進めることができた。 また、研究会で成果を発表することで、問題点や展望を共有することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
①申請計画に基づき、大阪府立大学所蔵の物語・説話資料等、絵画化関連刊本・写本の調査研究、及び、大和文華館所蔵の鈴鹿文庫の調査研究を引き続き行う。 ②他館所蔵作品の調査によりデータの蓄積を引き続き行う。 ③研究の最終年度となるため、研究成果をまとめる。展覧会の開催(「文学と美術の出会い―平安時代から江戸時代の物語絵―」於大和文華館 平成25年10月12日~11月17日)、シンポジウムの開催(展覧会期間中)、報告書の作成、の三つを中心に研究成果を公表する予定である。
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Research Products
(7 results)