2011 Fiscal Year Annual Research Report
地域医療と「芸術の臨床」をめぐる相互作用に関する総合的研究
Project/Area Number |
21320037
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Research Institution | 東京藝術大学 |
Principal Investigator |
桂 英史 東京藝術大学, 大学院・映像研究科, 教授 (60204450)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田甫 律子 東京藝術大学, 美術学部, 教授 (30130785)
西條 朋行 東京藝術大学, 大学院・映像研究科, 非常勤講師 (50373014)
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Keywords | アートプロジェクト / コミュニティ・ケア / 相互作用 / ナラティブ / 地域医療 / セルフドキュメンタリー |
Research Abstract |
本研究は芸術表現の機会創出(アートプロジェクト)の場、あるいは医療の現場(臨床)において発揮されている技芸(アート)そのものを「芸術の臨床」と位置づけてきた。最終年度の今年度にあっては、「セルフドキュメンタリー」の手法に基づく、革新的な映像記録の実験を進行し、実証的な実践研究を行った。その実験とは、過去二年間のワークショップ等で信頼関係が確立していて、さらには映像表現に高い関心をもつ統合失調症の病歴をもつ協力者数名にビデオカメラを貸与し、彼らの日常を彼らなりの手法(ビデオカメラの操作方法だけを教授し内容に関しては一切関知しない方法)で映像表現するという「セルフドキュメンタリー」という手法を確立した。本研究では、それも映像メディアを介した、ひとつのNBM(Narrative Based Medicine)のひとつと考えている。現在は撮影だけであるものの、さらには編集技術を習得するという段階で現在までに編集からパッケージ化の道を探り、ひとつの方法論として確立しつつある。現在公開の方法を、関係者の利害調整も含めて検討している。また研究計画にはなかったが、東日本大震災の発生に伴い、急性精神疾患に現地で対応する盛岡晴和病院の智田文徳医師へのインタビューを行うなど、現地調査を行い映像によるインタビューを収録し、その成果の一部はせんだいメディアテーク(宮城県仙台市)「331をわすれないセンター」に寄贈された。
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Research Products
(1 results)