2010 Fiscal Year Annual Research Report
19世紀以前の日本と東アジアの〈予言文学〉をめぐる総合的比較研究
Project/Area Number |
21320051
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
小峯 和明 立教大学, 文学部, 教授 (70127827)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 憲司 立教大学, 日本学研究所, 名誉教授 (00123761)
金 文京 京都大学, 人文科学研究所, 教授 (60127074)
増尾 伸一郎 東京成徳大学, 人文学部, 教授 (60183943)
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Keywords | 〈予言文学〉 / 東アジア / 預言書 / 狂言 / 今昔物語集 |
Research Abstract |
本年度は、昨年度に引き続き、日本と東アジアに関する〈予言文学〉の資料調査を継続し、貴重な資料を調査、収集することができた。とりわけベトナムも含めて中国、韓国なども広き〈予言文学〉への関心が高まっており、益々本テーマの重要性が再認識できた。また、〈予言文学〉をめぐる国際会議をフランスとベトナムで開催することができ、本テーマの趣旨である国際的な学術交流をより進展かつ深化させることができた。さらに、本年度後期から立教大学の院生を中心にあらたに〈予言文学〉の研究会を組織し、各領域に応じた〈予言文学〉の資料のデータベース化及び〈予言文学〉の観点からの既知の古典の読み直しをはかる研究活動を始め、順調なペースで進められた。 以下、具体的には、中国では公刊された預言書の大部な資料集成をはじめ、仏書に散見する予言関連の資料が入手でき、韓国でも高麗時代の予言をめぐる資料を収集できた。ベトナムでも漢字資料で詩歌のかたちによる〈予言文学〉資料の所在が判明した。国際会議に関しては、9月にフランスのアルザス日本学研究所で「笑いと狂言と〈予言文学〉」の国際学会を開催、狂言の実演とワークショップを交えて、講演会を実施し、予言と予祝をめぐる芸能と〈予言文学〉とのかかわりの深さを追究した。ついでパリの日本館と国立東洋言語文化研究院でも笑いと〈予言文学〉の講演会を行い、おおきな反響を得た。11月にはベトナム、ハノイの国立漢喃研究院で「東アジアの今昔物語集と〈予言文学〉」で国際学会を開催、昨年度北京で開催した学会の延長で、これも充実した会となり、今後のおおきな足がかりとなった。
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Research Products
(5 results)