2010 Fiscal Year Annual Research Report
タスク支援によるコミュニケーション能力の育成に関する調査研究
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21320100
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
高島 英幸 東京外国語大学, 大学院・総合国際学研究学院, 教授 (40128434)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 美保子 星城大学, 経営学部, 准教授 (10331638)
杉浦 理恵 東海大学, 国際文化学部, 准教授 (60413738)
今井 典子 高知工業高等専門学校, 准教授 (30510292)
桐生 直幸 鎌倉女子大学, 短期大学部・初等教育学科, 講師 (50442132)
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Keywords | タスク支援 / コミュニケーション能力 / スピーキングテスト / 中学生の英語語順の習得 / 縦断的研究 / 評価規準 |
Research Abstract |
平成22年度は、次の3項目に関して研究を推進した。 (a)パイロット調査(H.22年2月)分析 平成22年2月のパイロット調査では、本調査と同じ形式で、文法テスト(8項目16問題)スピーキングテストI・II(各12分)を中学校2校および高校1校で行った。 文法問題について顕著な結果は、後置修飾(過去分詞、現在分詞)の問題で、それぞれ2問のうち主語に修飾が来ているものの方の正答率が、極端に低く(20%以下)となっており、この傾向は高校1年生でも同様である。また前置詞句による後置修飾も、いずれの学校でも中2で10%以下、中3で20%、高1で30%以下と他の文法項目に比して著しく正答率が低い。前置詞句による名詞の後置修飾は、教科書で主な文法項目として扱われることが少ないため、明示的な指導と練習が十分に行われてない可能性が示唆された。 スピーキングテストでは、ICレコーダーに発話を録音したものをすべて書き出し、1元配置分散分析および多重比較を行った。テストIは難易度が高く、中学2年生は全滅状態であった。テストIIは、Oral Imitation Test(音声だけでなく、英文を音声を出しながら提示)したためコツがつかめるとできるようになったが、人の発話を聞いて言っている生徒が多く、妥当性に疑問がある。無言が多いことも妥当性を下げている一因である。 (b)スピーキングテストの評価規準の策定 文法テストに併せて誤答類型を作成したが、両スピーキングテストとも類型に当てはまるものはほとんどなかった。文法問題とスピーキング問題とでは生徒のアウトプットが異なるため、スピーキングテストの誤答類型は、別に作成する必要があることが確認された。また、スピーキングデータの特徴から、どこまでを「正答」として許容するかが文法問題のように明確ではないことから、検討の上、本調査における「正答」の規準を作成した。 (c)本調査(9月)の実施と分析 文法問題に関しては、本年度は3年継続研究の1年目であり、中学2年生が対象であったので、信頼係数αが0.798と0.706であるが、未習項目も含まれていることを考えれば、未習項目を抜いて行ったH.21年度の7月、11月のパイロットテストの信頼係数より低いのは当然であり、妥当な問題であると結論した。また、スピーキングテストに関しては、(c)で作成したスピーキングテストの「正答」の規準に基づき、分析を継続中である。
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Research Products
(4 results)