Research Abstract |
本研究の主な目的は,パラレルコーパスを活用した多言語教育DDL(データ駆動型学習)の普及に向けた先導的研究として,英語教育および日本語教育において教材開発と指導実践を行い,その効果を検証することである。具体的には,1)無料のバイリンガル検索ツールの開発,2)英語DDL教材の開発と指導実践,3)日本語DDL教材の開発と指導実践である。平成21年度の実績は以下のとおりである。 研究目的1)については,無料公開に向けて開発中のWebConc-Bilingualの検索スピード等の性能を強化し,英語DDLクラスでの試用実験を行った。現在は,試用データに基づきシステムの改良を進めている。研究目的2)については,中級用と上級用のパソコン利用版の英語DDL教材の開発および指導実践を行った。中級用についてはプリント版の英語DDL教材を試作し,パイロットスタディを実施した。研究目的3)については,日本語新聞キーワードを客観的に選定し,そのキーワードに基づいて,中級・上級用のプリント利用版日本語DDL教材を作成し,指導実践を行った。 研究成果として,3件の国際学会(コーパス言語学学会(7/21/2009),米国コーパス学会(10/10/2009),CamTESOL(2/27/2010)),および7件の国内学会等における成果発表を行った。また,上記国際学会のプロシーディングスをはじめ,『日本大学生産工学部研究報告B(文系)』『千葉大学教育学部紀要』『日本女子大学紀要』等に雑誌論文を7件公刊して,開発した検索ツール,作成した教材およびその指導効果の詳細を報告した。
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