2009 Fiscal Year Annual Research Report
ガーンディーにおける生命・生存・スワラージ―非暴力思想の世界史的水脈
Project/Area Number |
21320114
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
長崎 暢子 Ryukoku University, 人間・科学・宗教総合研究センター, 研究フェロー (70012979)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠田 隆 大東文化大学, 国際関係学部, 教授 (20187371)
田辺 明生 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (30262215)
石井 一也 香川大学, 法学部, 教授 (70294741)
油井 大三郎 東京女子大学, 現代文化学部, 教授 (50062021)
酒井 啓子 東京外国語大学, 大学院・地域文化研究科, 教授 (40401442)
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Keywords | 非暴力 / インド独立 / 暴力 / トランセンド法 / 平和 / 環境 / ガーンディー / 社会運動 |
Research Abstract |
本研究は、核兵器の保有数の増大からテロ、さらには環境破壊に至るまで、「暴力」の蔓延を留める方法について試行錯誤することさえ諦めてしまったかに見える現代世界にあって、20世紀半ばに「非暴力」の大衆運動をもってイギリス帝国に挑戦し、インド独立をかちとったマハートマ・ガーンディーの非暴力的運動を研究する。ただし、彼の運動や思想に着目するだけでなく、その方法に着目しているアメリカ(とりわけキング牧師以来の公民権運動の水脈)、北欧、インド、南アフリカなどの非暴力思想の世界史的展開に焦点を当て、その現代的有効性を探るものである。 まず、平成21年度は初年度の課題として設定されたように、3回の研究会を開催し、全員がそれぞれの研究蓄積と本研究における研究方針を発表するなかで、とりわけ、アメリカ(油井)、北欧(清水)、中東(酒井)、インド(長崎)における暴力・非暴力思想の歴史的展開とその現代的理解について研究発表がなされ、議論がなされ、理解が深められた。 さらに例えば、北欧出身のガルトゥングによる「トランセンド法」に見られるように、ガーンディー思想を応用して国連における「紛争解決と和解」の平和構築の方法が編み出された例が紹介されるなど、現代世界において、ガーンディー思想と彼の運動のもたらしたものは、単なる歴史上の一事件でなく、アジアの生み出した現代の重要な政治思想として、さらに研究が進められるべきものであることが確認された。インド研究者のなかでは、経済学(石井、篠田)、歴史研究(長崎)、文化人類学(田辺、石坂)、言語(井坂)など、それぞれの分野からの接近がなされ、ガーンディー、とりわけ、非暴力思想を媒介とした開発思想、生命観、環境運動など、彼が歴史上果たした重要な貢献の広い分野に渡っていることが改めて確認された。グジャラート語を含む文献資料の収集・整理もまだ不十分ながら努力中である。
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Research Products
(22 results)
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[Journal Article]2010
Author(s)
油井大三郎
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Journal Title
世界の歴史28・第二次世界大戦から米ソ対立へ(油井大三郎・古田元夫編)(中央公論新社)
Pages: 477-482
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