2011 Fiscal Year Annual Research Report
ガーンディーにおける生命・生存・スワラージ―非暴力思想の世界史的水脈
Project/Area Number |
21320114
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
長崎 暢子 龍谷大学, 人間・科学・宗教総合研究センター, 研究フェロー (70012979)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠田 隆 大東文化大学, 国際関係学部, 教授 (20187371)
田辺 明生 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (30262215)
石井 一也 香川大学, 法学部, 教授 (70294741)
油井 大三郎 東京女子大学, 現代教養学部, 教授 (50062021)
酒井 啓子 東京外国語大学, 大学院・総合国際学研究院, 教授 (40401442)
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Keywords | 非暴力 / 社会運動 / 独立 / ガーンディー / 暴力 / スワラージ / 英印関係 / インド |
Research Abstract |
本研究の目的は、近年、再評価されつつあるM.K.ガーンディーの非暴力思想と行動について、とりわけその生命の尊重、生存の保全、さらにスワラージ(自治、自律)確保を求める思想・活動に焦点をあて、現地調査、資料収集を行い、実証的研究を行い、また研究成果を公表することにある。本年は研究計画に沿って、以下を行った。 1)各研究分担者は、それぞれ、イギリス(British Library 内部のIndia Office室)、インド(National Archives)、アメリカ(Congress Library)などにおいて、資料調査および資料収集を含めた現地調査を行った。 2)例えば、今年の長崎の調査は、昨年のワルダーにおけるガーンディーの修道場の調査に引き続き、今回、2012年1月には、昨年の調査地からさほど遠くないインドのナーグプルにおける元不可触民を対象に、協力者である榎美樹とともに、調査を行った。その調査において明らかになったのは、元不可触民の人びとが、現代においても、頻繁に集会を行い、非暴力的な活動のなかで、地位向上を目指す社会運動を続けている興味深い実態である。50年以上も前にガーンディー等を指導者として、始まった社会運動が、その後も、継続的に行われていること、しかも、支持層を変え、指導者を変え、目的を変えつつ行われている事実が確認できた。今後は、この調査を継続しつつ、その意味を探りたいと考えている。すなわち、M.K.ガーンディー思想とその活動様式が、現在でも生き続け、全インド的に影響力を持っていることが判明した。 この研究の成果は、各分担者による南アジア学会をはじめとする内外の学会等での発表、さらに将来的には図書刊行も追求している。だが、当面はワーキングペーパーその他学術雑誌における刊行と同時に、大学院の授業、その他において、教育に還元される。
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Research Products
(39 results)