2011 Fiscal Year Annual Research Report
歴史知識情報の正規化による古記録フルテキストデータベース高度化と記録語の解析研究
Project/Area Number |
21320121
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉田 早苗 東京大学, 史料編纂所, 教授 (00110693)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本郷 恵子 東京大学, 史料編纂所, 教授 (00195637)
尾上 陽介 東京大学, 史料編纂所, 准教授 (00242157)
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Keywords | 古記録 / フルテキスト / 『岡屋関白記』 / 『猪隈関白記』 / 『後深心院関白記』 / 構造化テキスト生成システム / 中世記録人名索引 / 翻刻支援システム |
Research Abstract |
(イ)テキスト構造化による古記録フルテキストデータベースの高度化 前年度に引き続き、古記録フルテキストデータベースにおいて、テキストに付与されている歴史知識情報(人名・地名ほか各種語彙)の集積を進め、データベース構造の転換に向けた条件整備を進めた。公開促進費「古記録フルテキストデータベース」(研究代表者吉田)との協業により、コンテンツの充実を図った。 (ロ)索引情報のデジタル化と知識情報の正規化による歴史知識論の構築 テキスト本文に付された人名・地名などの知識情報について、既刊行史料集および新規刊行史料(『後法成寺関白記』)の索引データの蓄積を進めた。また基盤研究(A)「ネットワーク環境における前近代日本史史料の翻刻・編纂フレームワークの確立」(研究代表者・加藤友康・明治大学教授)が開発した「翻刻支援システム」を活用し、古記録の翻刻作業と同時平行で人名・地名などを構造化するとともに蓄積を進めた。地名については、基盤研究(A)「画像解析とフィールドワークに基づく荘園絵図情報システムの構築」(研究代表高橋敏子・史料編纂所准教授)との連携により、ジオメタを付与して組織的に蓄積することに着手した。なお正規化を完了したもののうち人名データについては(「猪隈関白記」「岡屋関白記」)、史料編纂所歴史情報処理システム(Ships)上の「中世記録人名データベース」から公開した。 (ハ)電算印刷を前提とした古記録編纂システムの検討 『大日本古記録』における編纂過程の電算化は、「翻刻支援システム」を活用することでXMLデータの生成を踏まえて、Tex版面への移行研究を実践し、『大日本古記録』特有の複雑な体裁を実現するうえでの諸課題を析出した。 (ニ)古記録編纂システムと古記録関連情報の連携 東北大学附属図書館狩野文庫などにおいて、古記録編纂の基礎となる史料典拠情報の収集を実践した。これまでに蓄積した典拠情報については、Ships上の「編年史料カードデータベース」に対応するデータ形式に変換し、登録に着手した。登録・検修を完了した後に一般公開の予定である。 なお本研究を総括する目的で、研究会「『大日本古記録』編纂の現状とネットワーク環境の援用にむけて」を開催し、他史料編纂機関や編纂経験者から諸々の意見を頂戴した。
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Research Products
(9 results)