2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21320124
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
森山 優 静岡県立大学, 国際関係学部, 准教授 (60295566)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 茂樹 久留米大学, 法学部, 准教授 (60330792)
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Keywords | 日本政治外交史 / 政策決定過程 / インテリジェンス / アメリカ外交史 / イギリス外交史 / 軍事史 / 政軍関係 / 暗号解読 |
Research Abstract |
今年度は、(1)連携研究者(宮杉浩泰)と研究協力者(小谷賢)によるイギリス公文書館調査(イギリス外交・軍事・インテリジェンス関係史料)、そして(2)研究分担者による国内史料調査(国立国会図書館)、(3)関連文献収集、(4)昨年度までに実施した調査で収集した史料の整理、を柱とした。 (1)宮杉は、英国公文書館の英国防諜機関史料のなかに残されていた日本人と日本に駐在していたドイツ人の史料、東南アジア戦域関連史料のなかの日本軍人への尋問史料(敗戦後)、イギリス陸軍省史料の日本軍人・外交官関連史料、日印(インド国民軍等)関係史料等、貴重な史料を収集した。いずれも、第二次大戦中の日本のインテリジェンス活動を研究するうえで重要な意義を持つ史料であり、研究進展への寄与が期待される。小谷は英国公文書館の外務省史料を中心に、英国外務省・駐米イギリス大使館の史料を収集した。これにより、日米開戦直前のイギリスの状況認識と行動が、従来の研究に比してより深く理解することが可能となった。 (2)国立国会図書館所蔵の『外務省文書』マイクロフィルム中の外務省文書を調査し、米側の傍受記録との照合作業に着手した(研究分担者)。 (3)昨年度~今年度に出版された日英米の関連文献・史料を収集、カナダやオーストラリアの外交文書・軍事関係文献を収集した(研究代表者)。 (4)21年度に収集した英外交文書(イギリスが日本の外交電報を傍受したファイル)HW12/270、271のリスト作成を完了した(研究代表者)。これによって、開戦前5ヶ月間のイギリスによる対日情報収集状況の多くの部分が明らかとなった。これに加え、22年度に収集した米公文書館のRG457に含まれるSRA(在外日本陸軍武官の電報を米国が傍受解読したもの)のリストを作成した(研究分担者)。 いずれも、外交史・インテリジェンス研究の基礎を固める重要な作業であり、これらを集積・駆使することで、さらなる研究の深化が期待される。
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Research Products
(5 results)