Research Abstract |
2011年度は,初年度に引き続き,ソグド人の東方活動に関する史料および関連研究文献の収集と海外調査を実施し,また研究成果の一部を公表した。 まず9月上旬,福島がカザフスタンからウズベキスタンにいたるソグド人の東方進出のルート,「草原の道」の調査を行った。11月中旬,森部は中国から欧米に流出したソグド人葬具のうち,ドイツ・ケルンの東洋美術館が所蔵する文物の調査を行った。また,パリで文献収集を行い,あわせて昨年も実見したがギメ美術館においても,再度,ソグド関係の文物を調査した。 今年度の中国調査は,12月下旬から1月はじめにかけて森部,山下,研究協力者の岩本,福島,中田が,主として山西省・陝西省でソグド関係の石刻史料の調査と文献収集・資料収集を行った。山西では,五台山の仏寺に残る唐代の題記とそこに見えるソグド人名の調査を行い,太原の山西博物院ではソグド人虞弘墓誌銘および関連史料を調査した。太原では,北斉・徐顕秀墓の壁画の調査もあわせておこなった。また山西・介休にある祇神楼の調査を行った。 陝西省西安市においては,陝西省考古研究院,西安碑林(米継芥墓誌銘),大唐西市博物館(隋代の安備の墓誌銘および石林台座,非公開のソグド人墓誌),陝西歴史博物館(安伽墓出土石牀),西安博物院(史ウィルカク・康業墓出土の石牀および関連文物)の調査・史料収集を行った。これらの成果の一部は,『アジア遊学』137,『関西大学東西学術研究所紀要』で公表した。
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