2011 Fiscal Year Annual Research Report
X線CTスキャナによる中国古代青銅器の構造技法解析
Project/Area Number |
21320154
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Research Institution | 独立行政法人国立文化財機構九州国立博物館 |
Principal Investigator |
今津 節生 独立行政法人国立文化財機構九州国立博物館, 学芸部・博物館科学課・環境保全室, 室長 (50250379)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鳥越 俊行 独立行政法人国立文化財機構九州国立博物館, 学芸部・文化財課資料登録室, 主任研究員 (80416560)
森田 稔 独立行政法人国立文化財機構九州国立博物館, 副館長 (20393192)
河野 一隆 独立行政法人国立文化財機構九州国立博物館, 学芸部・企画課文化交流展室, 室長 (10416555)
市元 塁 独立行政法人国立文化財機構九州国立博物館, 学芸部・企画課特別展室, 研究員 (40416558)
廣川 守 (財)泉屋博古館, 学芸課, 課長 (30565586)
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Keywords | X線CTスキャナ / 殷周青銅器 / 構造技法 / デジタルアーカイブ / デジタル複製品 |
Research Abstract |
殷周青銅器に代表される中国古代青銅器は、東アジアの金工史上非常に重要な意義を持つにも関わらず製作技法に関する研究が進展しなかった。これは殷周青銅器の内部構造を観察することが困難なためである。本研究では、九州国立博物館に設置した文化財用としては世界最大級の大型X線を活用し、非接触非破壊で中国古代青銅器の内部構造を解析して製作技法の研究を進めた。そこで、日本国内で最も優れた中国古代青銅器コレクションとして知られる住友コレクションを所蔵する泉屋博古館の所蔵品180点を中心に、中国古代青銅器の内部構造データを系統的に集積したデジタルアーカイブを作成することを目標として研究を進めた。殷周青銅器の内部構造を非破壊で把握するには、X線CT装置による三次元断面像が最適の方法である。さらに、細かな表面情報については精密三次元計測装置を用いて計測を実施しながら調査を進めた。また、デジタル化された3Dデータは、研究だけでなく博物館でも大きな展示効果を発揮する。3DデジタルデータをCGや3Dプリンタ等の最新機器で加工したデジタル複製品を用いて展示に活用した。 本研究の成果は、日本文化財科学会・東アジア文化遺産保存学会などの国内外の学会で研究発表した。最終的に、3年間の研究成果をまとめた報告書を刊行した。また、一般市民への研究成果の還元として、泉屋博古館東京分館特別展『神秘のデザイン -中国古代青銅芸術の粋-』および京都泉屋博古館常設展で、研究成果を分かり易く公開した。一般市民から分かり易い展示として好評を得ている。
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Research Products
(5 results)