2012 Fiscal Year Annual Research Report
「社会的なもの」の再構築:多様性と可能性の人類学的研究
Project/Area Number |
21320164
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
春日 直樹 一橋大学, 大学院社会学研究科, 教授 (60142668)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小泉 潤二 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (10153454)
中川 敏 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (60175487)
栗本 英世 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (10192569)
田辺 明生 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (30262215)
石井 美保 京都大学, 人文科学研究所, 准教授 (40432059)
森田 敦郎 大阪大学, 人間科学研究科, 准教授 (20436596)
中川 理 立教大学, 異文化コミュニケーション学部, 准教授 (30402986)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 社会的なもの / 人類学 / 国家 / 多様性 / 生政治 |
Research Abstract |
成果とりまとめの年度だったので、あらかじめ以下の三点を確認した上で、予算を配分した。 (1)メンバー間で頻繁にメイル会議を開いて議論を整理するとともに、成果発表の方法を検討すること(2)メンバーは限度内の予算で追加データの収集を実施すること(3)議論をとりまとめるために、全員が参加する研究会を国内で開催すること (1)の実施をつうじて、過去3年間の議論でとくに重要と思われた諸点を以下のように整理した。①「社会的なもの」は、従来の社会科学が前提にしてきたような所与のものではもはやなくなった。それゆえに人類学者は、「社会的なもの」がどう生成し衰退し再生するかを検討する必要がある。②このことは、「社会的なもの」がいかに構築されるのかについて論じることである。③構築の記述と分析に関しては、さまざまな立場が確認できる。その一極には、従来のとおり、社会的な地位や役割の変容に注目して構築過程を論じる立場がある。別の極には、「社会/自然」の二分法さえも崩して、人・モノ・情報などにすべてエージェンシーを付与しながら、ネットワークの生成を「翻訳」「媒介項」などの概念で描く方向がある。④後者は近年、若手の人類学者を中心に広がりつつあるが、いくつかの批判も集めているので、方法上の検討を綿密に進めていかなければいけない。 こうした議論をふまえて、本研究の最終的な集まりを開いた〔2013年2月20~21日、於金沢〕。会合では①②③をあらためて確認するとともに、この研究成果をどのように公開すべきかを協議した。さらに、④について議論した結果、関連する用語の定義の確定が必要との一致に達したが、どのように定義すべきかに関して意見が分かれて、各メンバーが今後それぞれの研究をつうじて検討していくこととした。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(18 results)