2011 Fiscal Year Annual Research Report
コンプライアンスのコミュニケーション的基盤に関する理論的・実証的研究
Project/Area Number |
21330002
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
福井 康太 大阪大学, 法学研究科, 教授 (00302282)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 竜一 大阪大学, 法学研究科, 教授 (00257958)
水島 郁子 大阪大学, 法学研究科, 准教授 (90299123)
武田 邦宣 大阪大学, 高等司法研究科, 准教授 (00305674)
久保田 安彦 大阪大学, 法学研究科, 准教授 (30298096)
吉本 建一 大阪大学, 高等司法研究科, 教授 (80031863)
|
Keywords | 企業コンプライアンス / アンケート調査 / コミュニケーション / 上場企業アンケート / 専門家の活用 / コンプライアンス専門部署 / 危機時のコンプライアンス / 平時のコンプライアンス |
Research Abstract |
平成23年度には、平成22年度末に実施したアンケートの集計・分析を中心に研究活動を行った。 同年3月11日に発生した東日本大震災の影響もあり、調査票の回収数は発送数3000票のうち116票(回収率3.9%)に留まった。アンケート調査の集計・分析は、実証研究ユニットが中心となって行った。入力および単純集計・分析は特任研究員の福井祐介が行い、7月11日(月)に開催した大阪大学企業コンプライアンス研究会(ユニット合同研究会)にて分析結果の公開・共有を行った。コンプライアンスについてはあらゆる場面でトップの役割が重要であること、法務部門とコンプライアンス専門部署の役割には大きな違いが見られること、粉飾決算などトップの信頼が危機にさらされているときには外部の専門家の役割が大きくなることなど、興味深い知見が得られた。7月以降、同ユニット合同研究会で指摘されたいくつかの問題点について、調査統計に通じた研究協力者や大学院生の補助を得て、分析結果についての細かな検討作業が進められた。 法理論研究ユニットは、海外調査を中心に調査研究を行った。福井康太はオーストラリア・メルボルン市にて海外企業のコンプライアンス業務についてインタビューを行い、また韓国・ソウル市、中国・上海市にて弁護士等から企業のコンプライアンス業務について聞き取り調査を行った。久保田はカナダにおける証券取引規制等について調査研究を行った。 〔連携研究者〕桐蔭横浜大学法務研究科教授・弁護士大澤恒夫(企業法務の実務的研究)名古屋大学法学研究科准教授松中学(企業組織とコンプライアンスの理論研究) 〔特任研究員〕西日本短期大学非常勤講師福井祐介(アンケート調査の実施、調査結果分析)
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本科研費の主たる事業はコンプライアンスに関わる企業コミュニケーションに関するアンケート調査であり、その実施、分析は順調に進んでいる。もっとも、成果の公表やそのフィードバックについてはまだ十分に進んでいるとは言えない状況であり、今年度の夏から秋にかけて重点的にその作業を進める。
|
Strategy for Future Research Activity |
本科研費研究は平成24年度が最終年度であり、その焦点はもっぱら研究成果の公表とそのリアクションのフィードバックである。学会等での部会報告のみならず、経営団体等でも研究成果を公表するとともに、意見交換の機会をもち、さらに得られたデータをさらなる分析に生かしていく。アンケート調査で得られなかった質的データについては、そのような意見交換のなかから抽出し、成果の纏めに反映していきたい。
|
Research Products
(5 results)