2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21330100
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Research Institution | Meiji Gakuin University |
Principal Investigator |
神田 良 明治学院大学, 経済学部, 教授 (90153030)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ベントン キャロライン 筑波大学, ビジネス研究科, 教授 (50520897)
清水 さゆり 中央学院大学, 商学部, 専任講師 (70445873)
高井 透 日本大学, 商学部, 教授 (60255247)
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Keywords | 長期存続企業 / 老舗 / 事業転換 / 持続的競争力 |
Research Abstract |
長期存続企業の経営に関しては、従来、老舗企業のみを研究対象として議論されることが多かった。老舗企業の実態から経営のエッセンスを導き出そうという試みである。しかし、この試みは、そうした経営のエッセンスが長期存続している企業以外にも妥当するのか否かに関する検証が欠けているという欠点を持つ。従来のこうした研究での短所を考慮して、長期存続企業(老舗)と非長期存続企業(非老舗)とをサンプルとした質問票調査を実施した。老舗企業の事例研究を約20社、インテンシヴに実施して、そこから導き出された作業仮説に基づいて、質問票を作成し、東京都商工会議所中央支部の協力を得て、7000社に質問票を発送した。およそ1400社の回答を得た。老舗10%、非老舗90%の構成からなり、両者の比較が可能となった。平均値の比較研究から、統計的に有意な相違を明らかにすることができ、比較から老舗長期存続企業の経営のエッセンスを確認できた。さらに、因子分析を実施することで、個々の仮説の妥当性を越えて、それらの仮説の間の関連性に関しても、また仮説間での経営行動の優先順位も確認できた。これによって、従来の老舗経営に関して述べられてきた一般的な仮説の妥当性、およびその限界も確認でき、さらに企業が長期存続するために経営に関して、どのような経営行動がより重要性が高く、長期存続、ひいては持続的競争力の構築に有効であるのかを明らかにすることができた。 事業変革に関しては、経時的な分析を不可欠することから、事例を積み上げることで対応している。事業変革では経営資源の活用によっていくつかパターンが存在する。例えば技術資源(ハード、ソフト)、販売チャネル資源、さらにはブランド(暖簾・知名度)資産などがその代表例である。資源の相違に関するいくつかの仮説は確認した。さらにこうした資源に応じて、事業変革のダイナミックな変革パターンが異なることから、これらのパターンをいくつか分類化できた。
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Research Products
(6 results)