2011 Fiscal Year Annual Research Report
日欧の地場伝統産業のプレミアムブランド化のための感性価値創造および技術経営的検討
Project/Area Number |
21330101
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
長沢 伸也 早稲田大学, 商学学術院, 教授 (40164412)
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Keywords | 経営管理 / マーケティング / 技術経営 / 感性価値創造 / プレミアムブランド / 地場伝統産業 |
Research Abstract |
平成23年度に行った研究によって得られた新たな知見等の成果は以下の通りである。 1、日本の地場産業・伝統産業の成功事例として以下の各社を成功事例として取り上げ、各社の製品がなぜ人々を惹き付け、他のブランドと何が異なるのか、経験価値創造、技術経営、イノベーションなどの観点から分析した。 例えば、帆布製鞄の信三郎帆布(京都市)が顧客に熱烈に支持されているのは、旧一澤帆布を「お家騒動」で乗っ取られるという存亡の危機に際し、旧一澤帆布時代には無かった柄物や捺染染めを数り入れるというイノベーションと、職人の技術力に支えられている「こだわりのものづくり」により生み出された帆布製鞄が顧客にとっての経験価値を創造しているからであることを明らかにした。 他にも、塩芳軒(京都市)の京菓子、末富(京都市)の京菓子、虎屋(東京都)の和菓子・羊羹、俵屋旅館(京都市)の宿泊サービス、山田松(京都市)の香・香木、唐長(京都市)の京唐紙、俵屋吉富(京都市)の京菓子、亀末廣(京都市)の京菓子についても分析した。 2.ヨーロッパのラグジュアリーブランドの成功事例としてシャネルやゲランを取り上げ、化粧品のコミュニケーション戦略、化粧品におけるラグジュアリーの要件、環境対応によるブランド戦略、アイコン製品による感性プロダクト戦略、および、デザイナーと企業の関係を分析した。 3.日仏のブランド企業に見るラグジュアリーブランドの構築条件を明らかにするため、ブランド構築条件の抽出に向けた事例分析と比較考察を行った. 4.地場伝統産業が今日そして近未来に直面する環境問題への対応が環境ビジネスとしてチャンスであるという観点から、環境対応商品や廃棄物ビジネスを含む環境ビジネス等を取り上げて検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
日本の地場産業・伝統産業の成功事例の分析(その3)については1893年創業末富の山口富蔵ご主人、1882年創業塩芳軒の高家昌昭ご主人、1804年創業亀末廣の吉田孝洋ご主人、1755年創業俵屋吉富の石原義清社長、1526年頃創業虎屋の黒川光博社長にヒアリングし、論文を公表している。欧州のラグジュアリーブランドの成功事例の分析(その3)についてはパリ本社やスイスの工房等を見学し、論文を作成している。
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Strategy for Future Research Activity |
ラグジュアリーブランドの世界最大のコングロマリットであり、ルイ・ヴィトンやディオール、モエ・エ・シャンドンに加え、2011年3月にはブルガリまでも傘下に収め、さらにはエルメスの買収も視野に入れているLVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトンに加えて、カルティエなどを傘下に持つリシュモングループ、グッチなどを傘下に持つPPRラグジュアリーグループも,取り上げ、ラグジュアーブランド経営の戦略を解き明かす予定である。
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Research Products
(43 results)