2011 Fiscal Year Annual Research Report
外郭団体も含めた効率的な自治体経営のための地方公会計改革と決算数値活用方法の研究
Project/Area Number |
21330108
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
大塚 成男 千葉大学, 法経学部, 教授 (20213770)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
会田 一雄 慶應義塾大学, 総合政策学部, 教授 (30159264)
佐々木 隆志 一橋大学, 商学研究科, 教授 (10235252)
吉田 智也 福島大学, 経済経営学類, 准教授 (90456286)
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Keywords | 公会計 / 自治体経営 / 財務会計 / 経済事情 / 地方財政 |
Research Abstract |
平成23年度においては、以下の研究成果を得た。 (1)すべての地方公共団体を対象としたアンケート調査の実施と回答の回収 すべての地方公共団体に対し、郵送によるアンケート調査を実施し、約6割の団体から回答を得ることができた。調査表には、新たな公会計モデルの採用状況だけでなく、財務会計制度と議会、予算、行政評価、および監査との関係を把握するための質問を盛り込んでおり、地方公共団体の現状を把握するうえで有益な情報が得られている。また、それぞれの団体が基準モデルないし改訂モデルを選択した理由等の既存の調査では明確にされていなかった事項についての情報も得られた。さらに、決算が不認定が相当に高い頻度で生じているという興味深い事実も発見された。 なお、今回のアンケート調査を通じて、それぞれの団体における会計改革担当部門の連絡先リストを整備することもできた。このリストは、今後の研究における追加的な情報収集で活用していく予定である。 (2)自治体への訪問調査 今年度中において訪問調査を行うことができたのは島根県松江市のみに止まったが、大規模な合併を行った団体における財務会計の運営について有益な資料を得ることができた。また、千葉県習志野市が決算情報を用いた市民向けの広報を積極的に行うことを目的として実施した「バランスシート探検隊事業」にも参画した。これにより、整備された財産台帳に基づく決算情報と現実の施設・設備の運用状況とを実例に基づいて対比することができただけでなく、財務会計情報が現実の自治体経営で活用し得る情報であることが確認できた。 (3)研究成果発信用Webサイトの充実 平成21年度に構築した本研究プロジェクトのためのWebサイト(http://kokaikei.net)に掲載する情報を拡充するとともに、上記のシンポジウム参加者をメンバーとするメーリングリストの構築・運用を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究を通じて、現実に財務会計を活用している多数の団体における取り組みを比較することができ、共通して有用となる情報が明確になってきている。また、アンケート調査により6割を超える団体の状況を把握することができている。それらの結果を総合すれば、本研究の目的である具体的な提言をまとめることができると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度が本研究課題の最終年度であるが、分析の対象とすべき資料はほぼ収集することができており、現実の地方公共団体での決算情報活用事例についても資料が得られている。それゆえ、最終年度中に研究メンバーによる研究会を重ねてそれらの資料の検討・分析を行うことで、研究成果としての提言をまとめる予定である。
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Research Products
(7 results)