2009 Fiscal Year Annual Research Report
臨床教育のビデオエスノグラフィー:高等教育における臨床教育場面の経験的比較研究
Project/Area Number |
21330118
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
樫田 美雄 The University of Tokushima, 大学院・ソシオ・アーツ・アンド・サイエンス研究部, 准教授 (10282295)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
五十嵐 素子 上越教育大学, 大学院・学校教育研究科, 准教授 (70413292)
宮崎 彩子 大阪医科大学, 医学部, 講師 (20298772)
北村 隆憲 東海大学, 法学部, 教授 (00234279)
米田 憲市 鹿児島大学, 大学院・司法政策研究科, 教授 (20283856)
真鍋 陸太郎 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教 (30302780)
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Keywords | 臨床教育 / エスノメソドロジー / 法科大学院 / 高等教育改革 / コミュニケーション |
Research Abstract |
1研究会等……隔月の研究会を2つ組織しつつ、調査をも開始した。また、論文投稿、学会発表だけでなく、マスコミを活用した一般啓蒙をも積極的に行った。 2発表等……第35回日本保健医療社会学会、日本EMCA研究会、四国放送TV『ゴジカル』内のニュース解説コーナーにおける航空管制の会話分析実践。 3調査から知見まで 本科研では、ビデオエスノグラフィーの立場から、法学系、医学系、工学系の3種の領域で調査を行う計画であった。平成21年度は、このうち、前2者に集中してデータ収集を行った。まず、法学系に関しては、K大学の法職大学院に3度訪問し、遠隔地講義の授業、民法演習の授業、および、大学で研修中の司法修習生に対しての模擬法律相談演習に関して調査を行った。なお、この模擬法律相談演習に関しては、同日中にビデオを再生しながらの、当事者参加セッションをも行った(6月~9月)。また、医学系の調査では、不妊症治療の際に発見される疾患として有名なクラインフェルター症候群(男性の性染色体異常)をシナリオの中核とした、ロールプレー演習の撮影を行った。この調査でも、その日から2日連続で授業担当講師を交えたビデオセッションを行うことができた。 調査終了後は、転写文作成をへて研究会での議論を積み重ねた。即日のビデオセッションの成果としては、「模擬法律相談演習」において、弁護士役の手元にある『判例六法』が、法律家の主張に根拠を与えるものとして、専門性を象徴するリソースとして、読み上げられていることだった。また、後日の研究会では、クライエントの主張を、弁護士役が復唱する際に、法律の枠組に載せる言語的操作をしていることが判明した。いまだ、探求途上ではあるものの、当事者的知識を万全に用いることで「見られているが気づかれていない」事象をこれまで以上に明らかにすることができつつある。この手法の有効性を平成22年度には確かめていきたい。
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Research Products
(13 results)