2011 Fiscal Year Annual Research Report
市民社会による移住者コミュニティ受容の日韓比較:人間安全保障の観点から
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21330128
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Research Institution | Osaka University of Economics and Law |
Principal Investigator |
武者小路 公秀 大阪経済法科大学, アジア太平洋研究センター, 教授 (80053536)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
華 立 大阪経済法科大学, 教養部, 教授 (20258081)
宣 元錫 大阪経済法科大学, アジア太平洋研究センター, 研究員 (10466906)
小倉 利丸 富山大学, 経済学部, 教授 (60135001)
羽後 静子 中部大学, 国際関係学部, 准教授 (80410653)
野田 真里 中部大学, 国際関係学部, 准教授 (90334995)
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Keywords | 移住者コミュニティ / 市民社会による受容 / 人間の安全保障 / 国際移住のグローバル化 / 移住者コミュニティのアイデンティティの世代間変容と多様化 / 親密圏と公共圏における国際結婚移住者 / 非正規移住者 / 移住者の人権と市民権 |
Research Abstract |
本研究のこれまでの実績は、二つの制約条件の発生によって研究実施計画を縮小せざるを得なかったが、その制約の下で研究の目的をおおむね達成できる見通しの下で2011年度を終了した。 第一の制約条件は、2010年度より、海外の研究活動には必ず研究分担者か連携研究者が参加すべきことが条件となり、一週間以上の海外出張を前提とする初期計画の調査活動ができなくなり、調査に基づく比較研究が不可能となった。その代わりに研究分担者か提携協力者が参加する短期活動として海外研究チームの研究シンポジウムを中心にする比較研究に切り替えた。 また、第二の制約条件は、本年度の東日本大震災に伴う科研費の支給可能性の不確定性のために、韓国・ヴェトナム・フィリッピンでの研究シンポジウムを準備する余裕がなくなった。そのため、臨機応変に各国チームの可能な活動を基にしたヴェトナム・フィリッピンを送り出し国とした日韓両国における移住者コミュニティの比較を進め、とくに研究が自由に行える日本国内の状況を中心にする方向に研究計画の軌道修正を行った。本年度は、最終年度の国際シンポジウムでの各国チームの報告とこれを基にする対話の効率を高めるために、これまでの研究報告を総合点検し、日英両国語で海外チームとも共有できるようにするとともに、外部評価者に依頼して、本研究プロジェクトのこれまでの研究成果で不足していた点を指摘してもらう形で、初期の研究の目的を最終年度に完成する準備を整えることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前記制約の中で進められた各国チームの研究成果の総合によって、上記キーワードの性格規定とその相関関係について、新しい知見を得ることが明白になった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、本研究課題の研究成果を総括するために、研究総括国際シンポジウムを開催、海外3チームから6名の研究者の参加のもとで、非公開シンポジウム(英語)と公開シンポジウム(日英両国語)を開催し、その成果を基にして、参加研究者の研究論文を完成するとともに、本研究プロジェクトで得られた知見を総括する出版物(日英両言語)の刊行を目指したい。問題はその編纂と刊行の財政面である。この他、本研究課題については本研究実施計画の枠内で今後、完成に向けて実施する以外に、本研究の完成後、さらにその成果を基にして進めるべき課題が存在している。それは、本研究課題によって発見提示された市民社会による移住者コミュニティの受容について、今回の研究計画の制約上実施できなかった比較調査を上記送り出し諸国と日韓両国との間で実施する課題が残っている。これには、すでに本研究において形成された海外3チームとの連携を基にした継続研究が効果的に進められる可能性がある。
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Research Products
(4 results)