2011 Fiscal Year Annual Research Report
ソーシャルワークの7次元統合体に基づく多面的多角的実践分析モデルの開発
Project/Area Number |
21330132
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
平塚 良子 大分大学, 福祉社会科学研究科, 教授 (40257556)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒木 邦弘 熊本学園大学, 社会福祉学部, 准教授 (60369832)
端田 篤人 長野大学, 社会福祉学部, 講師 (80387422)
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Keywords | 実践分析モデル / PDAモデル / 7次元統合体 / 集積実践事例 / キーワードファイルボックス / テキストマイニング / 質的・量的分析 / 実験的適用 |
Research Abstract |
本年度の研究計画の主要な一つは、2つの系として構想しているPDAモデル案の策定である。すなわち、すでに集積してきた実践諸事例(80余)の中から実践領域を考慮しながら約40事例を選定し、PCソフトテキストマイニングを活用して「7次元統合体重要キーワードファイルボックス」の再精査を行った。そこから7次元の整序された項目体系を構築し、これに整序された評価項目体系を加えて多面的多角的実践分析モデルPDAモデル(案)を策定した。PDAモデル(案)は、7つの次元を7つの大項目とし、これに属する中項目、小項目からなる。小項目には付帯する語群を位置づけ、実践者が必要に応じて参照可能なように構成するようにしている。 計画の第二は、PDAモデル案の試行(実験的適用)である。ここでは、PDAモデル案に関しては既収集事例への適用の試みと3名のソーシャルワーカーに自験例への適用の試みをしてもらった。実践対象が広く、多様なシステムに関与する点に特徴が見られる独立開業型のソーシャルワーカー1名と2名の医療ソーシャルワーカーの協力を得た。ソーシャルワーカーからは、モデル案が自己の実践分析に有用であるとの指摘が得られるとともに、項目の意味内容を理解することが難しい点があり適用のしづらさを指摘する意見も見られた。後者の解決については、各項目の意味内容を把握しやすい辞書を作成することで課題が克服できると判断する。 計画の第三は、量的分析の設計及び新たなソーシャルワーク事例の収集準備、研究協力者の参加である。いずれも部分的に実施をしている。特に前者については、項目の精査のためにテキストマイニングを活用することで質的な研究を量的に把握が可能になり精査の助けとなった。 研究計画はおおむね達成できたが、PDAモデルは適用のしやすさの追求だけではない。多面的に多角的に実践がいかなるものか、把握できることが重要であり、この部分の検討はなお、継続する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度に研究計画の実行がやや遅れたが、本年度は、工夫として既存収集事例の選定を行い、PDAモデル案の策定に重点化したことで、少数ながら実験的適用とその結果を得るところまで進めることができた点である。
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Strategy for Future Research Activity |
PDAモデル案に関しては、理論研究とあいまって、若干の項目の精査を行い、既存収集事例への適用とソーシャルワーカーの自験例への適用を拡大し、検証作業を進める。これらの作業からPDAモデルの確定版を導き出しまとめたい。次年度は成果報告を行う。
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