2009 Fiscal Year Annual Research Report
適応方略から超越へ:高齢期の心理的適応プロセスの移行に関する調査研究
Project/Area Number |
21330152
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
権藤 恭之 Osaka University, 人間科学研究科, 准教授 (40250196)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 龍太郎 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 副所長 (20150881)
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Keywords | 高齢期 / 心理的適応 / 認知加齢 |
Research Abstract |
本研究は、高齢期には加齢に伴う個人の認知身体機能、社会環境といった資源レベルの低下と共に心理的適応方略がそれぞれの状態に応じて最適な状態に移行するという仮説を心理学だけでなく、社会学、生理学、医学からなる学際研究の枠組みで明らかにすることを目的とする。平成21年度は、本研究の仮説検証に必要な指標を(1)心理的適応指標、(2)適応方略、(3)身体機能、(4)認知機能、(5)個人特性、(6)社会人口学変数・社会的活動の6つの領域に分け各領域で予備調査を行った。(1)心理的適応指標に関しては、Valuation of Life、感情的Well-being尺度、およびWHO5を複数の集団に実施し、日本語版が異なった集団でも安定して評価可能であることを確認した。(2)適応方略に関してはSelection, Optimization, Compensation尺度日本語版の短縮版を改編し、信頼性因子および妥当性の確認を行い、心理的適応と関連していることが確認された。また、我々が開発した老年的超越尺度の改編を行い、8因子からなる尺度を構成し、因子によっては超高齢期における適応の良さと関連していることを確認した。(3)身体機能は、項目反応理論を用いた身体機能レベルを推定する方法に加え、認知的負荷を加えた条件で片足立ちをする課題を開発し、予備実験を行った。データは現在解析中である。(4)認知機能の評価に関しては、一般高齢者の認知機能レベルを評価するために開発されたBrief Test of Adult Cognition by Telephone(BTACT)の課題を一部改編したバッテリーを用い予備実験を行った。結果として、論理的推論課題が最も個人差を反映する課題であることが確認された。(5)個人特性に関してはNEO-FFI(Costa & Macrae, 1992)の短縮版の有用性が確認できた。(6)社会人口学変数に関しては、一般的に用いられる、職業目録を用いた仕事の複雑性の評価よりも、自己評価の方が、現在の認知機能と高く関連することが明らかになった。次年度は、これら今年度に有効性を確認できた尺度を70歳を中心とした地域高齢者に実施し、仮説検証のためのデータを収集する予定である。
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Research Products
(46 results)
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[Journal Article] Cognitive function in Japanese centenarians according to the Mini-Mental State Examination.2009
Author(s)
Inagaki H, Gondo Y, Hirose N, Masui Y, Kitagawa K, Arai Y, Ebihara Y, Yamamura K, Takayama M, Nakazawa S, Shimizu K, Homma A.
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Journal Title
Dement Geriatr Cogn Disord. 28(1)
Pages: 6-12
Peer Reviewed
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[Journal Article] NA editing genes associated with extreme old age in humans and with lifespan in C.elegans.2009
Author(s)
Sebastiani P, Montano M, Puca A, Solovieff N, Kojima T, Wang MC, Melista E, Meltzer M, Fischer SE, Andersen S, Hartley SH, Sedgewick A, Arai Y, Bergman A, Anselmi CV, Malovini A, Kitamoto A, Sawabe M, Arai T, Gondo Y, Steinberg MH, Hirose N, Atzmon G, Ruvkun G, Baldwin CT, Perls TT.
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Journal Title
PLoS One 4(12)
Pages: e8210
Peer Reviewed
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[Presentation] ADIPOSE ENDOCRINE FUNCTION, INSULIN-LIKE GROWTH FACTOR-1 AXIS, THYROID FUNCTION, AND EXCEPTIONAL SURVIVAL BEYOND 100 YEARS OF AGE2009
Author(s)
Y.ARAI, M.TAKAYAMA, Y.GONDO, H.INAGAKI, S.NAKAZAWA, K.YAMAMURA, K.SHIMIZU, T.K OJIMA, Y.MASUI, Y.EBIHARA, N.HIROSE
Organizer
The19th IAGG World Congress
Place of Presentation
パリ フランス
Year and Date
2009-07-06
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