2009 Fiscal Year Annual Research Report
高齢期の喪失体験を統合する生涯発達的機能とそれを促進する介入プログラムの検討
Project/Area Number |
21330164
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital and Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
河合 千恵子 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都, 研究員 (00142646)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 正宏 聖心女子大学, 文学部, 教授 (50162384)
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Keywords | 高齢者 / 配偶者との死別 / 縦断研究 / 介入プログラム / 悲嘆からの回復 |
Research Abstract |
配偶者の死に直面した高齢者がその悲嘆をどのように克服してサクセスフルエイジングに至るのか、或いはその取り組みに失敗し、病気や死の転帰へと向かうのかを明らかにするためには長期縦断研究が必要である。配偶者と死別した高齢者の長期的適応に関する縦断調査は、2000年に開始され、2002年に第2回調査、2005年に第3回調査を、今年度は第4回調査を実施した。 調査対象者は当初は276名であったが、その後転居、死亡、病気入院等のために、第2回調査の時点ですでに対象者が200名をきり、今年度の第4回調査では113名(回収率62.40%)となった。多くの者は悲嘆から回復し、概ね適応的レベルにあったが、複雑性悲嘆を示す者もあった。これらの結果についての詳細な分析は次年度以降の課題とした。 今回の調査は特に、喪失体験を組織統合する生涯発達的機能に焦点をあて、その機能の検証を行うとともに、その機能を促進し、サクセスフルエイジングへと導く介入プログラムの検討も併せて行った。介入プログラムは、配偶者との出会いから現在までのライフストーリーを、「出会いから新婚時代まで」「壮年期から中高年期の私たち」「伴侶との別れ、そして現在まで」の3回に分けて語ってもらい、「伴侶と歩んだ人生アルバム」を作成した。このプログラムには14名の対象者が参加し、介入プログラムの実施前後には効果評価のための調査が実施された。結果は悲嘆や適応の指標についての量的分析だけでなく、質的にも十分に分析し、伴侶と歩んだ人生を振り返って語ることが配偶者の死の意味づけと人生への統合を促進させるのかどうかについて、さらに検討する。
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Research Products
(2 results)