2010 Fiscal Year Annual Research Report
戦後ドイツにおける「過去の克服」の研究-宗教・家族・政治教育・教育学の再生-
Project/Area Number |
21330172
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
對馬 達雄 秋田大学, 副学長 (90004118)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今井 康雄 東京大学, 教育学研究科, 教授 (50168499)
遠藤 孝夫 岩手大学, 教育学部, 教授 (70211779)
小玉 亮子 お茶の水女子大学, 人間文化創造科学研究科, 准教授 (50221958)
池田 全之 お茶の水女子大学, 人間文化創造科学研究科, 准教授 (50212775)
山名 淳 京都大学, 教育学研究科, 准教授 (80240050)
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Keywords | キリスト教の復権 / 家族の再生 / ヒューマニズム / エーリッヒ・ヴェーニガー / フリッツ・バウアー / アドルノ / 追悼施設教育学 / 過去の克服 |
Research Abstract |
本研究は、戦後ドイツを通底する課題である「過去の克服」という課題に、これまで等閑視されてきた精神史、文化史、広く人間形成の側面からその本質に迫ることを目的としている。本年度は、7名の分担者が交付申請書記載のそれぞれの研究テーマに則して、文献・資料の分析を進め、2回の全体研究会を通じて、共同研究としての統一性を保ちつつ研究を進めた。より具体的には、まず遠藤は、州憲法及び基本法の制定を通して、ナチズム克服の理念としてキリスト教の復権が行われたこと、小玉はナチズムにより解体の危機に瀕していた家族の再建に関する議論と施策が行われたこと、渡邊はナチ教義の注入手段と化していた歴史教育の再建において、ヴェーニガーの「政治的歴史教育」の理念が重要な役割を果たしたことを明らかにした。また、池田は20世紀ドイツを代表する哲学者ハイデガー、リット、ヤスパースの「過去」に対する思想的対応の相違を腑分けし、今井は「政治的成人性」の理念を中核とするアドルノの教育思想の特質を「過去の克服」との関連で明らかにし、對馬は反ナチ運動の復権を司法界において最初に宣明した「レーマー裁判」の意義を検事ブリッツ・バウアーの思想と行動に関連づけて明確にした。そして、山名は「追悼施設教育学」の成立経緯とその今日的意味を「記憶文化」と関連づけて明らかにした。これらの研究成果は、平成23年3月に上梓された對馬達雄編著『ドイツ過去の克服と人間形成』の各論文として収録された。
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Research Products
(1 results)