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2012 Fiscal Year Annual Research Report

ワイエルストラス表現公式の一般化と特異点をもつ曲面の理論への応用

Research Project

Project/Area Number 21340016
Research InstitutionTokyo Institute of Technology

Principal Investigator

山田 光太郎  東京工業大学, 理工学研究科, 教授 (10221657)

Project Period (FY) 2009-04-01 – 2014-03-31
Keywordsワイエルストラス表現 / 極大曲面 / CMC-1 曲面 / ガウス・ボンネの定理 / フロント / 双曲計量
Research Abstract

3次元 de Sitter 空間の,特異点を許す定平均曲率1の曲面に対してリーマン面上のある種の特異点をもつ双曲計量が対応する.これは,双曲平面のコンパクト化,すなわち上半平面と下半平面を理想境界で貼りあわせた球面上で実軸上で発散する双曲計量を考え,リーマン面上の遊離型関数によってこの(拡張された)双曲計量を引き戻したものとなる.このような概念に一般的な定義を与え(extended hyperbolic metric) ,基本性質を調べた.さらに,球面から2点を除いたリーマン面やトーラス上の PS-free な extended hyperbolic metric を分類した.これに対応して de Sitter 空間の CMC 2-noid の分類を行った.
3次元 Minkowski 空間の空間的極大曲面は,光的直線を(その閉包に)含むことがある.この直線を含む領域で曲面は滑らかだが,計量が退化している.このような曲面は,直線上でリーマン面の構造が崩壊しするので,特異点をもつ極大曲面のクラスとして梅原・山田が与えた「極大面」の範疇には入らない.このような極大曲面をいくつかのクラスに分類し,それぞれの例を挙げた.一方,極大曲面は光的曲線を挟んで実解析的にに時間的極小曲面に接続できる場合がある.これは極大曲面のワイエルストラス表現から得られるBjorling 型公式の帰結である.これらを踏まえ,とくに,極大曲面が直線を挟んで時間的極小曲面に実解析的につながるような例の重要性を指摘した.
3次元ユークリッド空間のフロントに関するガウス・ボンネ型の定理の内的なバージョンを通して,フロントとその双対(ガウス写像)の関係を用いることによりいくつかのフロントの位相に関する公式を得た.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

双曲空間のCMC-1曲面とリーマン面上の円錐的特異点をもつ定曲率1の計量には深い関わりがあり,梅原雅顕および代表者により調べられているが,類似の対象である de Sitter 曲面のCMC-1面において対応する計量はどのようなクラスの計量であるか(open dense な部分では定曲率 -1の計量だが)定かではなかった.今年度の研究によってそのクラス (extended hyperbolic metric) の定式化ができた.このことにより,Weierstrass-Bryant 型の表現公式によるCMC-1面の研究に一定の方向性がでてきた.さらに 2-noid の分類が完成したことは重要な進展である.
また,Minkowski空間の空間的極大曲面と時間的極小曲面の間の関係が Bjorling 公式を通して明確となり,これにより分類すべき極大曲面のクラスが明確になった.これは当初の計画ではあきらかでなかったことであり,さらなる研究の進展が期待できる.
一方,フロントとその双対に関するガウス・ボンネの定理はフロントの内的定式化によって得られた成果であり,これを高次元化・一般化する方向性が見えてきた.
以上のように当初の計画では見切れていなかった事実が発見されており,計画されていた研究がさらに広がる可能性がでてきた.

Strategy for Future Research Activity

Minkowski空間の空間的極大曲面と時間的極大曲面が実解析的に接続されている例を見つける.とくにBjorling公式が使えないケース,すなわち境界が光的直線である場合を解析し,局所的に例を構成する.また,このような型変化を表す "大域的" な例を考察し,このような例を含むクラスを定式化する.
De Sitter空間のCMC-1面のうち 3-noid とよばれるクラスを考察する.これは超幾何関数を用いて表示されるが,そのモノドロミー表現と曲面の幾何学の関係はまだ明らかになっていないものがある.これを考慮に入れ,3-noid の分類を行う.このことに合わせて,リーマン球面上に3点に特異点(分岐点)をもつ extended hyperbolic metric の分類を行う.
また,フロントを含む特異点をもつ曲面の微分幾何学の研究を進め,上記のようなクラスの曲面への応用を模索する.
さらにフロント(あるいはその内的定式化)の大域的な性質として知られているガウス・ボンネの定理の高次元化を考察し,超曲面の幾何学と特異点,表現公式の関係を考察する.
これらの研究は連携研究者と密接な連絡をもちながら遂行する.また,2013年度に得られた諸結果を踏まえ,上記の成果を公表するために国際研究集会に参加するとともに研究討論を行う.

  • Research Products

    (3 results)

All 2012

All Journal Article (3 results) (of which Peer Reviewed: 1 results)

  • [Journal Article] Coherent tangent bundles and Gauss-Bonnet formulas for wave fronts2012

    • Author(s)
      Kentaro Saji, Masaaki Umehara and Kotaro Yamada
    • Journal Title

      Journal of Geometric Analysis

      Volume: vol.22 Pages: 383-409

    • DOI

      10.1007/s12220-010-9193-5

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Hyperbolic metrics on Riemann surfaces and space-like CMC-1 Surfaces in de Sitter 3-Space2012

    • Author(s)
      Shoichi Fujimori
    • Journal Title

      in "Recent Trends in Lorentzian Geometry", M. Sachez et al. (eds.), Springer Proceedings in Mathematics & Statistics

      Volume: 26 Pages: 1--47

  • [Journal Article] Zero mean curvature surfaces in L^3 containing a light-like line2012

    • Author(s)
      Shoichi Fujimori
    • Journal Title

      Comptes Reudus de l'Academie Sciences. Serie I. Mathematique,

      Volume: 350 Pages: 975--978

    • DOI

      10.1016/j.crma.2012.10.024

URL: 

Published: 2014-07-24  

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