2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21340019
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
西浦 廉政 東北大学, 原子分子材料科学高等研究機構, 教授 (00131277)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯間 信 広島大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (90312412)
上田 肇一 富山大学, 大学院・理工学研究部, 准教授 (00378960)
寺本 敬 千歳科学技術大学, 光科学部, 准教授 (40382543)
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Keywords | 反応拡散 / ヘテロクリニック軌道 / スポット解 / 対流 / 大域分岐 |
Research Abstract |
H23年度の主な実績は次の3つである。 成果1. フロントーバック型パルスの不均一媒質での反射ダイナミクスの縮約理論 前年度において媒質がジャンプ型の不連続点をもつ場合のフロントーバック型パルスのダイナミクスの考察、とりわけジャンプの高さに依存するダイナミクスの変化を調べ、その解析的考察のため、ハイブリッド系とよばれる界面の位置と抑制変数の支配方程式の連立からなるモデルを導出した。最も非自明かつ重要な場合は反射、すなわちしばらく振動的に振る舞うが最終的に反射するというダイナミクスに対し、その有限次元の縮約された常微分方程式を導出し、進行パルスが不均一性が存在する時に、実際にジャンプ点の方向に引き返すことが解析的に証明された。 成果2. 2相対流系における一般的初期値からの漸近挙動の解明 密度が異なる多相系(例えば水とアルコール)における対流現象は一相系とは大きく異なる。とりわけ有限個の対流セルを内部にもち一定速度で進行する局在パルスが存在することが知られている。有限ではあるが大きなシステムサイズにおいて、一般的な初期値、例えばランダム初期値あるいはスパイク型のコンパクト初期値から出発したときに、系が最終的にどのような漸近状態に収束するかについて、数値的に不等間隔に並ぶ有限個の上の進行局在パルスに収束することが示された。この結果は極めて長時間の計算あるいはメッシュ数を細かくしても同様であり信頼度は極めて高い。この結果はJournal of Fluid Mechanicsに投稿中である。 成果3. 真正粘菌の不均一環境下での適応ダイナミクス バイオケミカル反応を伴う真正粘菌のロコモーションを記述するモデル方程式を導出し、環境が局在的に不均一な場合にどのようなダイナミクスが顕現するか数値実験により検証し、環境が悪くなるに比例して、通過、分裂、反射という行動をとる実際の粘菌実験と定性的に合致することを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
3つの課題について十分な成果が出ている。実際それらの論文出版についても、一つは既に公表されており、残りについても投稿準備中である。
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Strategy for Future Research Activity |
特に問題点はない。可能であれば2相対流問題における動的局在パルスの衝突過程の詳細を少なくとも数値的には最終年度末までに明らかにしたい。それにより関与する不安定局在定常対流解の存在、安定性などの解析により、その複雑ダイナミクスの詳細が次第に明らかになると期待される。
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Research Products
(6 results)