2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21340020
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
服部 哲弥 慶應義塾大学, 経済学部, 教授 (10180902)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南 就将 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (10183964)
安田 公美 慶應義塾大学, 商学部, 准教授 (40284484)
服部 久美子 首都大学東京, 理工学研究科, 教授 (80231520)
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Keywords | 確率順位付け模型 / 無限粒子系 / 流体力学的極限 / ポワッソン確率過程 / Burgers方程式 / move-to-front規則 / オンラインリテール / ロングテール |
Research Abstract |
本研究の目的は,確率モデルのくりこみ群による解析という枠組みから出発して,しかし,くりこみ群に必ずしもこだわらずに,既存の確率モデルとは異なる数学的広がりを持つクラスを発見し,その性質を研究することである.研究を通して,他分野からの刺激を数学の新しい概念として結実させ,確率論研究の広がりを目指しつつ,研究の体制づくりを行うことを目指してきた.本研究課題応募時以降の,研究代表者の異動に伴う研究環境の大きな変化を考慮して,ランダム系の研究,整数論との接点,無限粒子極限の研究,および,経済学や数理統計学を含む数理科学への確率論の応用も逐次主要な研究対象に加えてきた.本年度は,計画どおり,現任地慶應義塾大学日吉数学研究室における研究体制作りと,数理モデルに関する研究の拡大を確保したと考える. 具体的な研究成果の一つとして,しばらく続けている確率順位付け(ランキング)模型と名付けた多自由度確率過程(粒子系)のこれまでの研究成果に基づく単行本「Amazonランキングの謎を解く」(化学同人出版)を出版した.このテーマについては,粒子の軌道(特性曲線)を,オンライン書店Amazon.co.jpの本のランキングや掲示板集合体2ch.netのスレッド一覧の順位に応用できることを指摘してきたが,代表者の属する経済学部の学生が,ニコニコ動画やAKB48総選挙に関して本研究課題の方法と異なる分析を行ったので,その情報を付き合わせる可能性も生じた.研究成果の波及効果が徐々に広がる手応えを感じる.数学的側面についても,確率順位付け模型の極限定理については,連携研究者である京都大学大学院理学研究科の日本学術振興会特別研究員楠岡誠一郎氏との共同研究も順調であり,いずれ成果が世に出るものと期待する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究課題期間を含む期間の成果に基づく単行本「Amazonランキングの謎を解く」を期待より早く,本年度に出版できた.共同研究者や本研究課題分担者の他に,本年度の研究計画でも重視した慶應義塾大学日吉キャンパスという場とアクティヴィティや広く関心を持ってくださった方々の応援のおかげと考える.同書は,当該研究内容に関するアウトリーチのためにも役割を果たすと考える.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題応募時点に比べると,くりこみ群を含む純粋数学上の進展よりも,現実の社会現象への応用を含む確率論に関連する多様なモデルやその研究に重点が移っている.研究期間開始時の研究代表者の移籍によるところが大きいが,数学に対する社会の期待や関心にも沿うところと考えて,また研究上の成功の機縁でもあるので,引き続き,くりこみ群にこだわらずに研究の幅の拡大と応用数学的な側面への関心も重視する.予算との関連では,引き続き,幅広い研究交流による研究上の刺激と成果の伝達に関する情報交換,情報機器やソフトウェアを活用した地道な基礎研究と結果の蓄積,そして,結果のていねいな発表と余力の範囲でのアウトリーチを目指す.
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Research Products
(3 results)