2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21340055
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
谷本 盛光 Niigata University, 自然科学系, 教授 (90108366)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 博章 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (60262424)
淺賀 岳彦 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (70419993)
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Keywords | 世代対称性 / 超対称性粒子の質量スペクトル / ニュートリノ / フレーバー混合 / LHC |
Research Abstract |
本計画は、フレーバーの離散対称性の現象論的研究を行うものである。フレーバーの離散対称性をクォークとレプトンに適応するにとどまらず、超対称性粒子、すなわちスクォークとスレプトンのフレーバー構造に適用し、それらの質量スペクトルを予言した。この予言はLHC実験で検証できるものである。また、スレプトンのフレーバー混合を予言し、フレーバーの変化する中性カレント(FCNC)の大きさを評価した。その大きさはミュー粒子の稀少崩壊探査実験MEGで検証できる。 ●非可換離散対称性であるA4,S4とDelta(54)をクォーク・レプトンへ適用し、超対称セクターを含めてそれらの現象論的特徴をあきらかにした。非可換離散対称性は真空期待値によって自発的に破れるが、それによってレプトンフレーバー混合はtr-bimaximalの形になる。しかし、質量オペレーターの高次項は、レプトンフレーバー混合をtr-bimaximalの形からづらす働きをする。この高次項を評価し、レプトン混合Ue3予言した。これは対称性の種類によって異なる大きさであることを解明した。さらにUe3が他の要素、Ue2,Uμ2とどのように相関するかも明らかにした。このことによって、対称性のテストが可能となった。また、スレプトンのFCNCの大きさを予言し、μ→eγの実験的制限と矛盾ないことを確認した。 ●2009年8月には滞在型国際研究集会(富士吉田市)の企画に加わり、財政面においても研究成果発表においても寄与し、その成功に導いた。 ●今年度は、すぐれた研究支援者を確保できなかったため、謝金を最小限に抑え、その代り、次年度に計画していた研究集会を2010年1月に、新潟県湯沢において開催した。本テーマに関わる日本の研究者を一堂に会し(参加者30名)、共同研究の成果を発表、検討を行った。
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