2009 Fiscal Year Annual Research Report
高エネルギーX線(≧1MeV)による微小平板ビーム放射線治療法の基礎的研究
Project/Area Number |
21340066
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
篠原 邦夫 Waseda University, 理工学術院, 教授 (10112088)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鷲尾 方一 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (70158608)
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Keywords | 放射線治療法 / 微小平板ビーム / グリオーマ / モンテカルロコード / ガフクロミックフィルム / 顕微分光 / マイクロドシメトリー / 高エネルギーX線 |
Research Abstract |
本年度は次の項目に関する研究を実施した。 1.放射光による微小平板ビーム放射線治療法の照射条件の検討 放射光による治療実験を可変式コリメータで実施した。連携研究者の成山展照博士(高輝度光科学研究センター)とともに、スリットビームの線量分布測定とシミュレーションを行い、線量分布のPENELOPEコードを用いたモンテカルロ計算との一致を確認した。一方連携研究者の近藤威講師(神戸大学)とともに、U251ヒトglioma細胞株を皮下に移植したマウスに様々なビーム幅のスリット状X線照射を行いその抗腫瘍効果について検討した。ピーク幅100μm、ピーク間隔1000μmのスリット照射を行ったところブロードビーム照射と同様の腫瘍サイズ増加抑制効果を示し、非照射部位があるにもかかわらず一定の腫瘍増殖抑制効果が認められた。急性期の組織学的変化は、腫瘍細胞よりも腫瘍内新生血管の破綻が特徴的であり、スリット照射後の腫瘍組織内酸素分圧の変化などが、効果発現の機序として推察された。 2.高エネルギーX線の線量分布に関する検討 連携研究者の成山展照博士(上述)とともにシミュレーションにて、エネルギーを200keVから1MeVまで変化させた場合の線量分布を計算し、エネルギーが高くなるほど裾野が増大し、1MeVではマルチスリットにした場合にピーク谷線量比が6になることがわかった。すなわち、エネルギーが大きいほど透過力は強くなるがピーク谷線量比は小さくなる、ことが明らかとなった。一方早稲田大学では、計測実験のための線源の整備を進め、ほぼ調整が完了した。また、スリットビーム作成のための高エネルギー用コリメータの設計をほぼ完了し、来年度予算で整備する準備ができた。線量計測についても、顕微分光装置を整備し、ガフクロミックフィルムによる線量計測の準備が整った。
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Research Products
(9 results)