2011 Fiscal Year Annual Research Report
高エネルギーX線(≧1MeV)による微小平板ビーム放射線治療法の基礎的研究
Project/Area Number |
21340066
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
篠原 邦夫 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (10112088)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鷲尾 方一 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (70158608)
|
Keywords | 放射線治療法 / 徴小平板ビーム / 高エネルギーX線 / モンテカルロコード / ガフクロミックフィルム / 顕微分光 / グリオーマ |
Research Abstract |
1.照射条件の確立 連携研究者の成山展照博士、近藤威博士とともに、SPring-8における照射条件の確立を試み、従来利用してきたマルチスリットよりもシングルスリットを移動して照射する方式のほうが、谷線量低下が実現すること、その際の線量分布の対称性の崩れがコリメータのアライメントの精度によることを明らかにした。以上で本システムを確立した。 2.線量分析解析 モンテカルロシミュレーションにより線量分布のエネルギー依存性を解析した。その結果400keV以上の高エネルギーX線ではピークと谷の線量比が極端に小さくなることが判明した。また、照射方法によるビーム広がりの違いなどを検討し、平行ビームであれば試料(水)中でも表面と司様の線量分布を示すことを確認した。一方発散ビームの場合には、コリメータ透過後であってもビームは発散し、コリメータと被照射体との距離は重要なパラメータとなることを明らかにした。その結果を踏まえ、微小ビーム放射線治療法として最適なエネルギーを検討し100-250keV付近と推定した。 3.治療作用機構の解析 本治療法の選択的腫瘍壊死の理由として腫瘍血管の選択的損傷が推定されているが、連携研究者の近藤威博士とともにこの点を低酸素プローブで検討したところ、微小ビームX線照射後の腫瘍内に低酸素細胞の増加を確認し、上記の推定を支持する結果となった。 4.微小ビーム電子線の検討 線量分布解析によって高エネルギーX線が適切ではないことが判明したので、電子線治療の可能性を想定して、高エネルギー電子線による微小ビーム生成に関する検討を行った。非常に指向性の良いフォトカソードRF電子銃からの電子線を切り出すことによって、ビーム幅数十μm、ビーム間隔数百μmのすだれ状ビーム(ピーク/谷線量比10以上)の生成を確認した。
|
Research Products
(6 results)