2010 Fiscal Year Annual Research Report
電子線励起発光顕微法による表面プラズモンの光変換と伝播制御の研究
Project/Area Number |
21340080
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
山本 直紀 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (90108184)
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Keywords | 表面プラズモン / 電子顕微鏡 / 発光 / ナノプローブ / プラズモニックス |
Research Abstract |
平成21年度の結果を利用して、基板上の金属薄膜導波路におけるSPPの伝播特性を調べる実験を行った。SPP導波路として、半導体基板上をSiO_2層で覆い、その上に金属の導波路を作製した構造や、半導体表面に溝や隆起を作り、その上に金属を蒸着した構造を用いた。銀表面の溝型の導波路では角度分解スペクトル測定を行い、導波路を伝播するSPPの分散関係を複数のモードについて得ることができた。SiO_2層の上に作製した金のストライプ状導波路では、Leaky modeに対して導波路の幅方向の振幅分布が可視化できた。ただし、中心に対して反対称なモードは現れず、その原因がこの観察手法に起因するものであるか検討中である。 プラズモニック結晶によるSPP-光変換の性質を、円形の穴および柱が2次元正方格子状に配列した表面構造をもつ試料について調べた。角度分解スペクトル測定により特に表面垂直方向(Γ点)付近のSPPの分散関係を導出することができ、フォトンマップのパターンからΓ点での4つのSPP定在波モードを同定することができた。また、これらのモードのエネルギーは表面構造のパラメーター(柱や穴の直径)に依存して変化することを実験から示すことができた。 導波路を伝播するSPPの制御については、電場方向に垂直に電場を印加する実験では検出できる変化は起こらなかった。導波路の途中に曲線部分や周期的凹凸を導入し、角度分解スペクトルやビーム走査スペクトル像を測定した結果、特徴的な変化が見られたが解析は今後の課題である。
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Research Products
(5 results)