2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21340122
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
橋本 武志 北海道大学, 大学院・理学研究院, 准教授 (70283588)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 卓司 国立極地研究所, 教育研究系, 教授 (40217857)
江尻 省 国立極地研究所, 教育研究系, 助教 (80391077)
寺田 暁彦 東京工業大学, 火山流体研究センター, 講師 (00374215)
阿保 真 首都大学東京, システムデザイン研究科, 教授 (20167951)
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Keywords | 火山ガス / ライダー / 水蒸気 / 分光 / 二酸化硫黄 / リモートセンシング / 温度測定 |
Research Abstract |
(1)水滴/水蒸気観測用ラマンライダーの開発(主担当:中村・江尻) レーザー光のラマン散乱により,火山噴気中のH2Oの総量を遠隔測定する装置の開発を目標としてきた.23年度は群馬県草津温泉の噴気口をテストフィールドとして,水滴(液相H2O)チャンネルの較正観測を実施した.この実験では,ライダーによる測定と同時に,噴気を直接採取して水蒸気/水滴比の測定を試みた.測定精度は十分とは言えず,噴気の採取方法にさらなる工夫が必要であることが確認された.また,装置の可搬性を高めるために光学系の小型化を行った.水滴チャンネルの較正は未完となったが,本研究課題で,噴気中の水蒸気の定量と水滴の検出を同時に行うことまでには漕ぎ着けた. (2)温度測定用高スペクトル分解能ライダーの開発(主担当:阿保) 噴気内部の温度分布を遠隔測定する装置の開発を目標としてきた.22年度までに装置の基本設計と性能のシミュレーションを行い,100mの距離から1分間の測定で1%の温度測定誤差を実現できることを示した.23年度は,この装置を野外の噴気に適用して温度測定を試みた.ただし,気象条件に恵まれず屋外環境での動作試験を行うに留まった.これとは別に,室内実験で熱風を発生させ,20-100℃の温度範囲での較正に成功し,透過強度比が理論値と誤差範囲内で一致することを確認した. (3)スペクトルカメラの開発(主担当:橋本・寺田) 近赤外分光により,火山噴気中のH2O分布を画像として得る技術の開発を目標としてきた.今年度は,同様の原理によるSO2検出用スペクトルカメラを製作し,桜島火山の噴気に適用した.良好な結果を得たので投稿論文として公表準備中である.H2O検出用スペクトルカメラについては,室内実験による知見から,効果的にH2Oを検出できる波長帯を明らかにするに留まった.
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Research Products
(4 results)