2009 Fiscal Year Annual Research Report
高頻度サンプリングGPS観測に基づく地球科学観測の新たな展開
Project/Area Number |
21340125
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加藤 照之 The University of Tokyo, 地震研究所, 教授 (80134633)
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Keywords | GPS / 高頻度 / GPS地震計 / 東海 |
Research Abstract |
GPSによって地殻変動を観測する手法は日本のみならず世界で広く用いられ地球科学に革命的な進展をもたらしている.これまでは30秒毎のサンプリングで1日1回の測位が世界標準であったが,最近1秒サンプリングによって地震波動を捉える手法が開発されつつあり,新たな応用分野が広がりつつある.我々は東海地方に展開しているGPS観測点の一部を50Hz対応のGPS受信機に置き換え,これまでにない高頻度サンプリングのアレイ観測を実施して地震波動を含む地殻の変動を検出し,破壊伝播過程から余効変動を含む長期の地殻変動までをシームレスに明らかにする手法を開発することを目的としている.本年度はまずGPS受信機3セットとデータ解析処理用のサーバー式を導入し,観測システムを構築すると共に,基礎的な実験観測を実施した.基礎実験として,東大地震研屋上の基準点を用い,1台のアンテナと2台の受信機を用いたゼロベースラインテストを実施した.実験は平成22年1月に行われ24時間の10Hzサンプリング及び50Hzサンプリングのデータを取得することに成功した.得られたデータをRTNetソフトウェアで解析した.解析においてはシングルエポック毎の測位解とカルマンフィルターを用いて位置を拘束するフィルター解の2種類を比較検討した.シングルエポック解では数mm程度の白色雑音が認められた.一方フィルター解はおおむね1mm以下のばらつきしか認められなかったものの時折ゼロラインからの偏差が認められた.今後このような偏差について原因を検討していくとともにソフトウェアの改良も行う予定である.また,ゼロベースラインテストが良好な結果であったことから,次年度は短距離基線での測位テストを実施する予定である.
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Research Products
(3 results)