2009 Fiscal Year Annual Research Report
配位高分子錯体においてゲスト分子集団が示す協同現象の解明と機能性材料への展開
Project/Area Number |
21350012
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
上田 貴洋 Osaka University, 総合学術博物館, 准教授 (70294155)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川路 均 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 准教授 (10214644)
石丸 臣一 東京電機大学, 工学部, 教授 (10251034)
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Keywords | 表面・界面物性 / 複合材料・物性 / 固体物性 / ナノ材料 / 吸着 |
Research Abstract |
テレフタル酸を架橋配位子に持つ高分子亜鉛錯体(IRMOF-1)は、研究室レベルでは、通常一回の合成で1グラム程度の収量が見込める。しかし、本研究課題で測定を予定している熱容量測定には10グラムオーダーの試料が必要となる。そこで、今年度は断熱型熱量計を用いた熱容量測定に供するため、IRMOF-1の大量合成(10グラムオーダー)を試みた。当初、比較的収率の高い還流法を用いたが、得られた試料の結晶性がやや低いため、収率は落ちるが、高い結晶性を持つ試料が得られるバッチ法において、収率向上を目指した合成条件の検討を行った。その結果、窒素気流下で試料を取り扱うことにより、収率が向上することがわかった。この方法を用いて熱測定用試料の合成を行った。今後、得られた試料を用いて熱測定を進める予定である。 イオン伝導材料への展開を視野に入れ、IRMOF-1にNaIやKSCNの非水溶媒溶液を含浸した試料について、電解質溶液のナノ空間への吸蔵の可能性を検討した。その結果、電解質溶液に含浸後、真空乾燥した試料の細孔体積は、用いた電解質溶液のイオン濃度にほぼ比例して減少したことから、ナノ細孔内への電解質吸蔵の可能性が示唆された。 さらに、IRMOF-1のナノ空間に閉じ込められたゲスト分子集団が示す相転移挙動をダイナミックに検出するために、遅い分子運動を捉えることのできるホルダー付サンプルロッド(東陽テクニカ社製)を組み込んだ誘電率測定システムの構築を行った。
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Research Products
(8 results)