2009 Fiscal Year Annual Research Report
触媒移動型縮合重合によるπ共役系高分子共重合体の精密合成
Project/Area Number |
21350067
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
横澤 勉 Kanagawa University, 工学部, 教授 (80182690)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 明弘 神奈川大学, 工学部, 准教授 (50343637)
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Keywords | 高分子合成 / 有機導体 / π共役系高分子 / リビング重合 / ブロック共重合体 / ポリピリジン / ポリフルオレン / 触媒移動重合 |
Research Abstract |
申請者らは末端構造の明確なポリ(ヘキシルチオフェン)がリビング重合と同等な連鎖重合によって分子量を制御して合成できることを報告した。さらにこの重合は金属触媒が高分子末端へと分子内移動することによって連鎖重合が進行していることを明らかにし、ポリフェニレン、ポリフルオレン、ポリピロールのπ共役高分子もこの触媒移動型縮合重合で精密に合成できることを見出した。しかし、異なるπ共役系高分子のブロック共重合体や交互共重合体を触媒移動型縮合重合によって精密に合成することは申請者らの最近の2つの予備的な実験以外まったく行われていない。そこで本研究では、1つの芳香族モノマーを重合後、第2の芳香族モノマーを加えてブロック共重合体を合成する手法と、異なる2つまたは3つの芳香環を結合したモノマーの触媒移動型縮合重合によって交互共重合体や三元配列制御共重合体を合成する手法を確立する。 本年度は(1)アクセプター性π共役系高分子の精密合成法の開発、(2)鈴木・宮浦カップリング重合におけるブロック共重合体の合成法を検討した。(1)についてはNi触媒を用いるピリジンモノマーの熊田・玉尾カップリング重合について検討した結果、3,5位で結合したポリピリジンが分子量を制御して分子量分布狭く合成できることを見出した。(2)についてはポリフェニレン合成が鈴木・宮浦カップリング重合でも進行する重合条件を明らかにした後、ポリフルオレンとポリフェニレンのブロック共重合体の合成を検討した。その結果、ポリフェニレン合成の最適条件下においてポリフルオレンも合成でき、その重合終了後にフェニレンモノマーを加えると目的としたドナー・アクセプターブロック共重合体が合成できた。
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