2010 Fiscal Year Annual Research Report
簡便な金属性ナノチューブと半導体性ナノチューブの分離法の開発
Project/Area Number |
21350110
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中嶋 直敏 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (80136530)
|
Keywords | カーボンナノチューブ / 芳香族分子 / HPLC / 物理吸着 / 分子形状 / 分子間相互作用解析 / シリカゲルカラム |
Research Abstract |
単層カーボンナノチューブ(SWNT)を物理吸着によってシリカゲルに固定化したHPLCカラムを作製し、芳香族分子との相互作用を解析した。ここでは、この研究は、将来的には、既に報告されている金属性SWNTと半導体性SWNTの分離技術にも応用可能と考えられ、金属性SWNTおよび半導体性SWNTののHPLCカラム作製により、金属性SWNTおよび半導体性SWNTを認識するような特異な分子の発見につながると期待できる。ここでは、未分離の金属性SWNTおよび半導体性SWNTを含むカラムを用いて、HPLC実験をおこなったところ、SWNTとの相互作用は、benzene<naphthalene<biphenyl<fluorene<phenanthrene<anthracene≒pyrene<triphenylene<P-terphenyl<tetraphene<tetraceneであることがわかった。すなわち、ベンゼン環の数が多いほどSWNTとの相互作用が強くなることがわかる。しかし、ベンゼン環の数だけが相互作用の強弱を決める要因ではなく、分子が有する楢造も重要なファクターとなる。SWNTが細長いπ共役を有するため、ベンゼン環が広がった構造よりは細長い構造がSWNTとの相互作用に有利であることがわかる。また、分子のフレキシブルさも重要なファクターとなることが明らかとなった。すなわち、SWNTと強く相互作用するためにはフレキシブルでSWNTとコンタクトしやすい分子が有利であることが示された。 また、種々の飲料茶を用いた金属性SWNTおよび半導体性SWNT分離実験を行い、選択分離効率について条件探査を行なった。
|
Research Products
(6 results)