2011 Fiscal Year Annual Research Report
簡便な金属性ナノチューブと半導体性ナノチューブの分離法の開発
Project/Area Number |
21350110
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中嶋 直敏 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (80136530)
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Keywords | カーボンナノチューブ / カイラリティ / 分子認識 / 分離 / 物理吸着 / フルオレンポリマー / フォトルミネッセンス / 可溶化 |
Research Abstract |
単層カーボンナノチューブ(SWNT)の中でも半導体性のカイラリティのみを選択的に抽出できる可溶化剤として、ポリフルオレン(PFO)が知られている。本研究ではフルオレンポリマー骨格の精密設計により、これらが(n,m)SWNTカイラリティを認識・制御することができることを明らかにした。すなわち、PFOの側鎖が選択性に与える影響を検討するため、可溶化剤の骨格分子であるフルオレンの側鎖を、長鎖アルキル基ないしは嵩高い枝分かれ構造のアルキル基(2-メチルブチル基)に置換し、様々な混合比のコポリマーを新規に作製した。その結果、長鎖アルキル基は(7,6)のような高いカイラル角度を、嵩高いアルキル基は(10,3)などの中程度のカイラル角度のSWNTを選択的に認識し、混合比を変えることによって、SWNTのカイラリティに対する認識能に選択性を付与できることを見出した。また、可溶化剤のポリマー主鎖骨格を新規に設計・合成することにより、異なるカイラリティ認識能を導入した可溶化剤の創製にも成功した。中でも、可溶化剤の主鎖骨格に、フルオレンに加えて2,2'-ビピリジンを導入することによって得られたコポリマーPFO-BPyを用いると、PFOと同様に半導体性のSWNTだけを可溶化し、その中でも、(6,5)のカイラリティを持つものを97%という非常に高い選択性で抽出できるということを見出した。
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Research Products
(22 results)