2009 Fiscal Year Annual Research Report
高効率水素製造のための高温水蒸気電解用高性能・高耐久性電極の開発
Project/Area Number |
21350114
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
内田 裕之 University of Yamanashi, クリーンエネルギー研究センター, 教授 (20127434)
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Keywords | 電気化学 / 水蒸気電解 / 水素製造 / 混合導電体 / 金属ナノ粒子 |
Research Abstract |
クリーンで高効率な燃料電池自動車の本格的普及に向け、燃料となる純水素の高効率な大量製造法の確立が必要である。安定化ジルコニアなどの固体電解質を用いる高温水蒸気電解(SOEC)では、カソードで水蒸気から水素を発生させ、生じた酸化物イオンが電解質中を移動してアノードで酸素を発生させる。一段階で高純度な水素が得られるという水電解法の特徴に加え、高温では、熱力学的および反応速度論的に有利になり、貴金属電極を用いなくても低い電解電圧で水素製造が可能になる。また、逆作動させれば固体酸化物形燃料電池(SOFC)として機能し、高効率発電も可能になる。すなわち、電力と水素の直接交互変換装置である。 本研究は、高性能かつ高耐久電極を開発し、低温作動SOECの実現に貢献することを目的とする。本年度は以下の成果を得た。 1.噴霧プラズマ合成法により、電子-イオン混合導電性サマリアドープセリア(CeO_2)_<0.8>(SmO_<1.5>)_<0.2>(SDC)微粒子にNi-Coナノ粒子触媒を高分散することに成功した。合成直後のNiO-CoO固溶酸化物が水素還元により仕込み組成比のNi-Co固溶合金ナノ粒子となることを見出した。20atom%-Coでアノード及びカソード特性が最も高くなることを明らかにした。 2.900℃、0.5A/cm^2で、5000時間の良好な耐久性を示したLa_<0.6>Sr_<0.4>Co_<0.2>Fe_<0.8>O_3(LSCF)+SDC/LSCF二重層構造酸素発生電極の機能解析を行った。試験開始時と再起動時に、一度上昇した電位が緩やかに回復する原因は、電極内の粒子同士の焼結がガス拡散性を抑制しない程度に進行してイオンと電子の導電ネットワークが向上し、有効反応領域が増大することに加え、LSCF中のCoの価数変化または相変化が起こっている可能性が高いことを、電気化学測定、SEM観察、XRDにより見出した。
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Research Products
(5 results)