2011 Fiscal Year Annual Research Report
高効率水素製造のための高温水蒸気電解用高性能・高耐久性電極の開発
Project/Area Number |
21350114
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
内田 裕之 山梨大学, クリーンエネルギー研究センター, 教授 (20127434)
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Keywords | 電気化学 / 水蒸気電解 / 水素製造 / 混合導電体 / 金属ナノ粒子 |
Research Abstract |
クリーンで高効率な燃料電池自動車の本格的普及に向け、燃料となる純水素の高効率な大量製造法の確立が必要である。安定化ジルコニアなどの固体電解質を用いる高温水蒸気電解(SOEC)では、カソードで水蒸気から水素を発生させ、生じた酸化物イオンが電解質中を移動してアノードで酸素を発生させる。一段階で高純度な水素が得られるという水電解法の特徴に加え、高温では、熱力学的および反応速度論的に有利になり、貴金属電極を用いなくても低い電解電圧で水素製造が可能になる。また、逆作動させれば固体酸化物形燃料電池(SOFC)として機能し、高効率発電も可能になる。すなわち、電力と水素の直接交互変換装置である。 本研究は、高性能かつ高耐久電極を開発し、低温作動SOECの実現に貢献することを目的とする。本年度は以下の成果を得た。 1.従来のイットリア安定化ジルコニア(YSZ)電解質、およびYSZよりも約2倍導電率が高いスカンジア安定化ジルコニア(ScSZ)にNi-Coナノ粒子を高分散したサマリアドープセリア(SDC)水素極を取り付けて、オーム損を除去した分極特性を比較した。SOFC作動モードで、電解質のイオン導電率が高いほど水素極性能が向上することを見出した。 2.これまでに開発したLSCF+SDC触媒層とLSCF集電層からなる二重層構造酸素極を大型化しても性能を維持できるように、調製方法を見直して、均一性の高い触媒層を再現性良く調製できるようになった。
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