2009 Fiscal Year Annual Research Report
水素結合性の光架橋性高分子液晶の光配向を基盤とする機能性分子の光配向制御
Project/Area Number |
21350129
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
川月 喜弘 University of Hyogo, 工学研究科, 教授 (60271201)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
多田 和也 兵庫県立大学, 工学研究科, 准教授 (90305681)
近藤 瑞穂 兵庫県立大学, 工学研究科, 助教 (70447564)
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Keywords | 高分子構造・物性 / 高分子合成 / 光物性 / 高分子機能材料 |
Research Abstract |
本年度は,新規の液晶性フルオレン誘導体を合成し,それらを光配向膜により配向させた偏光発光素子の作製を目的とした。 われわれがこれまでに評価を行ってきた光架橋性高分子液晶は露光量を調節することにより分子配向を制御できる。21年度は,分子両末端に液晶形成部位を具備したフルオレン誘導体を新規に設計・合成し,光配向膜上における配向・蛍光特性を評価した。その結果,フルオレン誘導体は光配向膜の配向方向と同方向に協調的に再配向し,配向度は0.6以上であった。このとき,露光量に応じて偏光電界に対して垂直と平行のいずれに方向にも配向することが可能であった。また,配向フィルムの作製時における熱処理温度を変えると,フィルムの蛍光強度が異なることも明らかとなった。 つづいて,電極と正孔注入層,光配向膜,蛍光材料の構造からなる電界発光素子を作製した。配向膜はフォトマスクを用いて露光量を調節し,パターン化露光することで分子配向をパターン化した。その配向膜状にフルオレン誘導体を配向させ,偏光発光素子を作製した。フルオレン誘導体は光配向膜上の配向方向と同方向に配向しており,パターン化して偏光発光した。このように,照射する偏光電界をかえること無くパターン発光フィルムを容易に作製することができ,合成したフルオレン誘導体が有機電界発光素子として有用であることがわかった。
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