2009 Fiscal Year Annual Research Report
ディープレベル顕微鏡による欠陥準位のエネルギー及び空間分布解析手法の確立
Project/Area Number |
21360003
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
鎌田 憲彦 Saitama University, 理工学研究科, 教授 (50211173)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 武司 埼玉大学, 理工学研究科, 助教 (40509121)
平山 秀樹 理化学研究所, テラヘルツ量子素子研究チーム, チームリーダー (70270593)
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Keywords | 欠陥準位 / フォトルミネッセンス / 2波長励起 / 非接触測定 |
Research Abstract |
半導体結晶中の転位や点欠陥、残留不純物、それらの複合体等の結晶欠陥は、禁制帯内に深い欠陥準位(ディープレベル)を形成し、発光デバイスや電子デバイスの効率低下、動作不安定性や劣化をもたらす元凶となる。これらの欠陥準位を生成しない結晶成長や素子加工プロセスを探索するために、本研究では禁制帯内励起光の照射によるフォトルミネッセンス強度の変化を用いて、欠陥準位を光学的に検出、評価する手法の確立を目的とする。これにより電極が不要で準位のエネルギー、空間分布を解析可能なディープレベル顕微鏡が、各種結晶や発光材料、デバイスの高品質化に有効であることを実証する。 初年度はまずゲートICCDカメラを選定し、2波長励起フォトルミネッセンス観測用に導入して、光子計数レベルで幅広い時間スケール(最小ゲート幅500ps)での時分解応答測定系を構築した。手始めに熱処理方法によって効率の異なる蛍光体試料を用いて、再結合寿命の温度依存性の相違を検出した。 また、欠陥準位の低減を目指してGaN系半導体の結晶成長を進めつつ、InGaN量子井戸試料の2波長励起フォトルミネッセンス測定を行った。半導体レーザーをBGE光源として用い、測定系の改良を通して、バンド間、およびディープルミネッセンスに関して信頼性の高い2波長励起フォトルミネッセンス測定結果を得ることができた。規格化フォトルミネッセンス強度(BGE照射時の強度/BGE非照射時の強度の比)のBGE強度依存性を調べたところ、規格化フォトルミネッセンス強度の減少が励起強度の増加とともに飽和する傾向となった。これは我々が提案している2準位モデルでのトラップフィリング効果に起因する現象と考えられる。
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Research Products
(12 results)