2010 Fiscal Year Annual Research Report
ディープレベル顕微鏡による欠陥準位のエネルギー及び空間分布解析手法の確立
Project/Area Number |
21360003
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
鎌田 憲彦 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (50211173)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 武司 埼玉大学, 理工学研究科, 助教 (40509121)
平山 秀樹 埼玉大学, 理化学研究折・テラヘルツ量子素子研究チーム, チームリーダー (70270593)
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Keywords | 欠陥準位 / フォトルミネッセンス / 2波長励起 / 非接触測定 |
Research Abstract |
注意深く結晶成長しても、ごく微量の結晶欠陥が禁制帯内に深い欠陥準位(ディープレベル)を形成し、非発光再結合準位、キャリア捕獲準位として働くことによって発光材料・デバイスの効率低下、動作不安定性や劣化をもたらす元凶となる。これらの欠陥準位密度を低減するために、本研究では禁制帯内励起光の照射によるフォトルミネッセンス強度変化の観測を中心に、非発光再結合準位、キャリア捕獲準位を光学的に検出、評価する手法の確立を目的とする。これにより電極が不要で準位のエネルギー、空間分布を解析可能なディープレベル顕微鏡の有効性を実証する。 本年度は、まず非発光再結合準位の低減を目指してAlGaN、InAlGaN量子井戸半導体の結晶成長を進めつつ、検出系に適した回折格子分光器を導入し、2波長励起フォトルミネッセンス測定系の分光波長域・検出感度等の改善を図った。発光波長帯が等しいInAlGaN、およびAlGaN発光層を持つ2つの量子井戸試料を含め、複数のInAlGaN、およびAlGaN量子井戸試料について、励起波長244nmでフォトルミネッセンスの温度依存性、および励起強度依存性を調べた。温度15K、強励起条件での発光強度を基準に、内部量子効率を試算し、それから室温での非発光再結合定数の温度依存性を導出、比較した。その結果、最適条件で成長したInAlGaN発光層を持つ試料の非発光再結合定数が低く、温度依存性、励起強度依存性に優れることがわかった。またLED励起用蛍光体のフォトルミネッセンス及び熱ルミネッセンス評価を進め、キャリア捕獲準位の熱活性化エネルギーを算出した。
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Research Products
(14 results)