2011 Fiscal Year Annual Research Report
ディープレベル顕微鏡による欠陥準位のエネルギー及び空間分布解析手法の確立
Project/Area Number |
21360003
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
鎌田 憲彦 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (50211173)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 武司 埼玉大学, 理工学研究科, 助教 (40509121)
平山 秀樹 理化学研究所, 平山量子光素子研究室, 主任研究員 (70270593)
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Keywords | 欠陥準位 / フォトルミネッセンス / 2波長励起 / 非接触測定 |
Research Abstract |
GaN系半導体結晶成長と、禁制帯内励起(BGE)光照射によるフォトルミネッセンス(PL)強度変化の観測に関する前年度までの成果を基に、本年度は2波長励起フォトルミネッセンスの測定を継続すると共に、最終年度として欠陥準位の検出とその解析手法を総括し、さらに蛍光体材料を含むより広範囲な試料の測定を進めた。 InGaN量子井戸と合わせて、AlGaN量子井戸について検討を進めた。特に深紫外域組成では、Al組成比の高いAlGaNの高品質化が困難であり、現在LEDや半導体レーザー開発上最大の課題となっている。AlGaN量子井戸につきPL強度の温度、励起強度および面内分布依存性、キャリア寿命特性を精密測定し、Al組成が高まると面内組成ゆらぎが無視し得ない点を示した。またPL特性と成長条件との比較検討、量子井戸構造の自己吸収、電極反射率等の検討と合わせて、LEDの高効率化の検討を進めた。 高電子移動度トランジスタ(HEMT)として有望なAlGaAs/InGaAs/AlGaAs構造は量子井戸でもあり、近赤外域にPLピークを持つ。この点を利用してIn_<0.30>Ga_<0.70>As/Al_<0.24>Ga_<0.76>As量子井戸の2波長励起PL測定により、BGEエネルギー0.80eVで禁制帯内準位を検出した。バンド間励起(AGE)光強度を下げ、BGE強度を増すにつれてPL強度は低下し、2準位モデルで扱えることがわかった。 Ba_3Si_6O_<12>N_2:Eu^<2+>蛍光体の2波長励起PL測定により、BGEエネルギー1.8eV付近で顕著なPL強度の増加(1準位モデル)を観測した。結晶欠陥準位を電極不要で検出、評価する上で、本手法の有効性が蛍光体でも実証された。これらの成果をまとめ投稿中である。
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Research Products
(9 results)