2010 Fiscal Year Annual Research Report
有機FETの短チャネル化による超高速応答有機FETの開発
Project/Area Number |
21360011
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
赤井 恵 大阪大学, 工学研究科, 助教 (50437373)
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Keywords | 有機FET / 短チャネル長 / 微細化 / 周波数特性 / ルブレン / 高分子 |
Research Abstract |
本研究の目的は、有機FETをサブマイクロメートル領域まで短チャネル化することにより、有機FETとしては未踏のMHz-GHz領域の高スイッチング周波数特性をもつ超高速応答有機デバイスを作成することにある。具体的には、有機FETの短チャネル化に伴う性能劣化の原因及びその克服方法を明らかにし、有機FETのスイッチング周波数測定方法を新たに開発する。この両者によって有機FETとして現実に到達しうる世界最高のスイッチング速度を測定によって実証する。 本年度はデバイス構造を見直し、チャネル部分のみに独立したゲート電極を有する構造を作製した。石英基板上に幅500nmのゲート電極を作製し、その上に厚さ60nmの絶縁膜(SiO2)を成膜した。その後、電子線描画法を用いてゲート電極との重なりが最低限になるようにチャネル長500nmのソース・ドレイン電極を作製した。このようにして作製された電極基板上にルブレン単結晶を張り合わせて高速応答対応デバイスを得た。デバイスサイズはチャネル長500nmチャネル幅71μmであり、その移動度は0.04cm^2/Vsであった。デバイスの周波数応答特性から素子のキャパシタンスを求めると約4×10^<-14>Fであった。この値は過去に作製したバックゲート型デバイスのキャパシタンス(1×10^<-11>F)から大きく減少した。遷移周波数f_Tを求めると約6MHzであり、デバイス構造および移動度から予測できるf_Tとよく一致した。今回のデバイスでは、移動度が期待していた値より小さく高い応答特性を得られなかったが、キャパシタンスは十分小さなデバイスが作製できた。現段階では、自己組織化膜を用いた表面処理等による電極基板-有機半導体界面の制御が行えていないため、今後はこれらの利用により更なる応答性能の向上が期待できる。
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Research Products
(9 results)
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[Journal Article] Formation and electrical transport properties of pentacene nanorod crystal2010
Author(s)
M.Akai-Kasaya.C, Ohmori, T, Kawanishi, M, Nashiki, A, Saito, M, Aono, Y.Kuwahara
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Journal Title
NANOTECHNOLOGY
Volume: 21
Pages: 365601-365608
Peer Reviewed
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