2011 Fiscal Year Annual Research Report
フェロエレクトリック半導体による近中赤外超短パルス位相共役光学
Project/Area Number |
21360026
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
尾松 孝茂 千葉大学, 大学院・融合科学研究科, 教授 (30241938)
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Keywords | 非線形光学 / フォトリフラクティブ効果 / フェロエレクトリック半導体 / レーザー |
Research Abstract |
「フェロエレクトリック半導体」は強誘電体としての大きな非線形性と半導体としての桁違いに速い時間応答をかねそなえ、これまで位相共役鏡の未踏波長領域であった近中赤外(1~1.6μm)帯で大きなフォトリフラクティブ活性を示す新しい材料である。 本研究の目的は、「フェロエレクトリック半導体」の一つSn_2P_2S_6(SPS)結晶の性能(高反射率、超広帯域、超高速応答、高光損傷閾直)を極限まで引き出し、近中赤外(1~1.6μm)の超短パルス光に対する革新的な位相共役鏡を築することにある。今年度は以下の項目について研究を進めた。 ○1.5μm超短パルスレーザーに対するSPS結晶とRh:BaTiO_3結晶の比較 SPS結晶の1.5μm超短パルスレーザーによる二光波混合利得を代表的なフォトリフラクティブ結晶であるRh:BaTiO_3結晶と比較した。TeドープのSPS結晶は1.55μm帯で1光子吸収と二光子吸収を示すため、CWレーザーとフェムト秒レーザーを使い分けて二光波混合利得の測定を行った。CWレーザーによる1光子吸収励起では、二光波混合利得は最大でも~1cm^<-1>であった。SPS結晶では、Teイオンがフォトリフラクティブ活性因子として有効に機能していることを示す。また、フェムト秒レーザーを励起光源に用いた場合、フェムト秒レーザーの光強度に比例して吸収が増え、二光波混合利得は1.68cm^<-1>まで向上する。これは二光子吸収がフォトリフラクティブ活性を増強することを意味する。これに対して、Rh:BaTiO_3結晶はCW光に対して二光波混合利得が全く示さなかった。このことからSPS結晶は、近中赤外で有効なフォトリフラクティブ結晶であることが分かった。
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Research Products
(4 results)