2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21360034
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
河口 仁司 Nara Institute of Science and Technology, 物質創成科学研究科, 教授 (40211180)
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Keywords | 先端機能デバイス / フォトニックネットワーク / 応用光学・量子光工学 / 偏光双安定 / 面発光半導体レーザ / 全光型バッファメモリ / 光RAM / 光双安定モジュール |
Research Abstract |
光信号を電気信号に変換することなく、時系列の光信号を偏光双安定面発光半導体レーザ( Vertical-Cavity Surface-Emitting Laser : VCSEL)アレイの各レーザに1ビットずつ記録し、必要なタイミングにあわせ時系列信号として記録信号を読み出す機能をもっ、全光型バッファメモリを実現することを目的に研究を行った。特に、実用化に向け大きな課題である多ビット光メモリの実現をめざし、メモリ動作特性の均一化の手法およびモジュール化の実現に重点を置いて研究を進めている。又、高速化についても合わせて検討している。本研究の初年度である平成21年度は、偏光双安定VCSELの高速化と光バッファメモリの多ビット化に向けたプロトタイプモジュールを検討した。 偏光双安定VCSELの高速化に関しては、2モードレート方程式の解析により得られた動作条件の計算結果をもとに、980nm帯VCSELを用いて動作実験を行い、20Gb/s RZ信号と40Gb/s NRZ信号に対する光メモリ動作を実現した。これらは、フリップ・フロップ型全光メモリ動作としては世界最高速である。980nm帯で得られる知見はそのまま1.55μm帯でも利用できる。この検討をもとに、光通信波長帯である1.55μm帯においても、実用的な伝送速度である12.5Gb/sのRZ信号の光メモリ動作を実現した。 光バッファメモリのモジュール化については、光ファイバによる光出力ポートをもつ偏光双安定VCSELモジュールを作製し、良好な動作特性を得た。光ファイバ出力モジュールの状態にしても偏光双安定特性は損なわれず、20dB以上の良好な消光比を保って偏光双安定特性が得られることを初めて明らかにした。
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