2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21360034
|
Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
河口 仁司 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 教授 (40211180)
|
Keywords | 先端機能デバイス / フォトニックネットワーク / 応用光学・量子光工学 / 偏光双安定 / 面発光半導体レーザ / 全光型フリップ・フロップ / 全光型バッファメモリ / 光RAM |
Research Abstract |
光信号を電気信号に変換することなく、時系列の光信号を偏光双安定面発光半導体レーザ(Vertical-Cavity Surface-Emitting Laser:VCSEL)アレイの各レーザに1ビットずつ記録し、必要なタイミングにあわせ時系列信号として記録信号を読み出す機能をもつ、全光型バッファメモリを実現することを目的に研究を行った。実用化に向け大きな課題である多ビット光メモリの実現をめざし、メモリ動作特性の均一化の手法およびモジュール化の実現に重点を置いて研究を進めた。又、高速化についても検討した。平成23年度は特に、偏光双安定VCSELの低消費電力化と高速化に向け検討した。 980nm帯偏光双安定VCSELに初めて酸化狭窄構造を導入し、従来より1桁低く、世界最小の0.85mAのバイアス電流で、きわめて小さな光入力でフリップ・フロップ動作を実現した。p-DBRは5.5×6.0μmの矩形で、ポリイミドで埋め込まれている。InGaAs/GaAs多重量子井戸活性層の上部に位置する高Al組成層を酸化し、約3μm角の電流アパーチャを形成した。しきい値電流は0.22mAであり、光双安定性は0.71~1.64mAで得られた。発振偏光は矩形メサの辺の向きに沿っており、偏波消光比20dB以上の直線偏光であること、単一縦モード・単一横モード発振であることがわかった。 又、すでに40Gb/sNRZ信号のメモリ動作を実現しているが、一層の高速動作をめざし、通常のVCSELに比べ光共振器の反射率を下げるとともに、活性層の層数を増やすことにより光学利得を増加したVCSELを試作した。バイアス電流1mAでレーザ発振が得られ、偏光双安定特性も得られたことから、今後、40Gb/sRZ信号のメモリ動作など一層の高速動作を実証できるものと期待している。
|