2011 Fiscal Year Annual Research Report
ナノファイバー/ウエッブのトライボロジー評価に関する研究
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21360074
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Research Institution | Toyama Industrial Technology Center, |
Principal Investigator |
榎本 祐嗣 富山県工業技術センター, 中央研究所, 所長 (30362106)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金 翼水 信州大学, 繊維学部, 准教授 (40397302)
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Keywords | トライボロジー / 引っ張り強度 / ナノファイバー / ナノウエッブ / 極細繊維 / 破断強度 / ヤング率 / 濡れ性 |
Research Abstract |
○ナノウエッブのトライボロジー試験評価(最終年度に実施した研究成果) ・PUナノウエッブのガラス基板ならびにシリコンウエハに対する摩擦評価を行った。押し付け力(W)増加とともに摩擦係数(μ)は減少した。摩擦開始時(約0.5N)のμ値は、親水性PU不織布がガラス対しもっとも高く2.0、w=3Nあたりでμ=0.7程度となった。siウエハに対し親水性、疎水性PUともに軽い押し付け力(約0.3N)ではμ=1.1、高い押し付け力(約3N)ではμ=0.7となった。 ・疎水性PUにフッ素コートした場合、Siウエハに対してのみ約30%の摩擦低減効果が見られた。 ・シリコンウエハへの移着は、軽い押し付け力(約0.2N)から摩擦方向に沿って観察された。 ・親水・疎水PUのいずれに対してもガラス基板では、摩擦初期に-120~-250Vの帯電ピークが現れ、直ちに解消した。Siウエハに対しては、疎水性PUが摩擦開始直後に-300v程度のピークを示したが、親水性PUでは、帯電ピークは見られなかった。 ・現在、論文投稿にむけて作業している。 ○ナノファイバーの力学試験評価(期間全体を通じて実施した研究成果) ・試作したナノファイバー強度試験機を用いて、300nmから数ミクロン径の各種ファイバーの単軸引張、クリープ、3点引張試験を行った。引張り強度のファイバー径依存性、環境依存性などが明らかにできた。 ・ナノファーバーのサンプルの採取方法や適正な試験長についても知見を得て、把持法を最適化できた。 ・液体中のナノウエッブ濡れ性評価も可能であることを確かめた。 ○ナノファイバーウエッブの創製とトライボロジー評価 ・インプロセス帯電除去によりポリエステルのような絶縁性基材にもナノコートできることを示した。 ・クリーン環境でのナノウエッブの拭き取り摩擦試験・静電帯電試験を実施、ナノウエッブの押し付け力の増加とともに摩擦係数が減少する効果などトライボロジー特性を明らかにした。 ・溶媒を使わないハンドスピンイング法の基礎実験をおこない目途をつけた。
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Research Products
(3 results)