2009 Fiscal Year Annual Research Report
カーボン系薄膜の極低摩擦のメカニズム追求とその応用に関する研究
Project/Area Number |
21360076
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Research Institution | Nippon Institute of Technology |
Principal Investigator |
三宅 正二郎 Nippon Institute of Technology, 工学部, 教授 (70229813)
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Keywords | トライボロジー / ダイヤモンドライクカーボン膜 / 境界潤滑 / ナノ周期層膜 / 原子間力顕微鏡 |
Research Abstract |
本研究では境界潤滑条件下で極低摩擦を実現することを目的とし,カーボン系薄膜の表面構造をナノメータスケールで制御,評価し,極低摩擦のメカニズムを追及している。 1. 低摩擦化のモデルとカーボン系薄膜の形成では(1)境界潤滑で極低摩擦を形成するモデルを考え,カーボン系薄膜を用い組成,構造をナノメータスケールで制御することによって薄膜の硬さとヤング率を向上させる。更にせん断抵抗の小さな摩擦生成物を形成し,摩擦低減を実現することにした。(2)各種元素添加カーボン膜の形成では,スパッタリング装置を用い,各種元素を添加したカーボンを主成分とするナノ構造薄膜を形成している。添加物としてコバルト,マグネシウム,チタン等の金属を取り上げた。(3)ナノ周期積層膜の形成ではカーボンと窒化チタンアルミの積層膜について摩擦特性を評価し,膜構造との関係を追及し,カーボンの積層の効果を明らかにした。(4)ナノコンポジット薄膜の形成では,三次元構造を有するナノコンポジットとして二硫化モリブデンとカーボンからなる膜の検討を開始した。 2. カーボン系薄膜による低摩擦の実現とそのメカニズムの追求 極低摩擦特性を明らかにするため専用機として摩擦力を高感度に測定できる境界潤滑試験装置を導入し,各種元素を添加したカーボン系薄膜の境界潤滑特性を評価し、膜形成条件に反映している。 3. カーボン系薄膜のナノメータスケールの評価 原子間力顕微鏡(AFM)で超硬質膜チップを用いて,表面のナノメータスケールの機械特性評価を行っている。特に境界潤滑の例として磁気ディスクカーボン保護膜の境界潤滑特性を評価している。
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Research Products
(4 results)