2009 Fiscal Year Annual Research Report
極低温固液二相スラッシュ流体の伝熱・流動複合機構の研究
Project/Area Number |
21360091
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大平 勝秀 Tohoku University, 流体科学研究所, 教授 (30375117)
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Keywords | 熱工学 / 流体工学 / スラッシュ流体 / 固液二相流 / 水素 / 強制対流熱伝達 / 再生可能エネルギー / 極低温流体 |
Research Abstract |
本研究の目的はスラッシュ流体の非ニュートン流体的性質を示す流動特性(圧力損失低減)と、圧力損失低減から起因する熱伝達劣化特性が同時に複合する伝熱・流動メカニズムについて、スラッシュ窒素を使用して固体粒子の挙動・融解も含めて定量的、系統的に解明する。また、管内伝熱・流動解析プログラムの高精度化を行う。 伝熱・流動および可視化実験については、内径10mm、15mmの円管、内径12mmの矩形管、内径12mmのコルゲート管の4種類の水平管を使用して、流速1~6m/s、固相率0~35wt%にて実施した。その結果、管内径、管形状(円管と矩形管)により圧力損失低減効果、熱伝達劣化の発生する流速、固相率の領域が明らかとなった。流動時に固体粒子が管軸方向へ移動することにより管中央部に固体粒子群が形成され、この固体粒子群が管壁付近の固体粒子の少ない液体層で発生する乱流と熱拡散を抑制する現象を、可視化実験により確認した。矩形管については、比較的高流速で圧力損失低減効果が出現しており、二次流れの影響と考えられるが、更に実験を要する。輸送用長距離配管や超伝導送電の冷媒用配管に使用されるコルゲート管について、スラッシュ窒素の圧力損失測定を行った結果、液体窒素より圧力損失が低減する圧力損失低減効果が初めて得られ、圧力損失低減現象の解明が進展した。 伝熱・流動数値解析については、伝熱と流動現象が複合する三次元熱非平衡二流体モデルを用いたプログラムを改良し、解析結果と実験結果の比較・検討を行った。その結果、圧力損失低減効果を除き、圧力損失、熱伝達係数が精度良く推定可能となった。今後、更にプログラムの改良と高精度化を行う。
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