2009 Fiscal Year Annual Research Report
都市域全体における面的な太陽光発電出力変動特性の算定手法の開発
Project/Area Number |
21360127
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
加藤 丈佳 名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (90283465)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴置 保雄 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (10115587)
|
Keywords | 太陽光発電システム / 日射量 / 平滑化効果 / 電力系統 / 負荷周波数制御 / 電源計画 / 統計解析 |
Research Abstract |
大量導入された太陽光発電システム(PVS)群全体の出力変動が電力系統に与える影響を評価するための基礎的検討として、研究代表者らがこれまでに名古屋市域の多地点で観測した日射量データの統計解析を行った。その結果、日射変動のコヒーレンスおよびアンサンブル平均値の標準偏差の観点から、2地点間距離が概ね5km以上であれば,周期が数十分以下の日射変動は概ね独立とみなすことができ、また、25km×25km程度の範囲内の代表点における日射変動の標準偏差は概ね同程度とみなせることを明らかにした。これにより、25km×25km程度を一つの検討対象範囲とし,範囲内を5km×5km程度の16~25ブロックに分割すれば,1/√N則を利用して範囲内のPVS群全体の周期数十分以下の出力変動特性を評価できる可能性があることを示した。なお,名古屋大学周辺の10地点において数km間隔で日射量の観測を開始しており,次年度以降に新しいデータを用いて上記の結果についてさらに詳細な検討を行う。さらに、1/√N則を用いて1地点で観測した日射量から推定した電力系統全域のPVSの出力変動と電力需要の変動とを比較した結果、2030年に目標とする規模のPVSが導入されても、負荷周波数制御に対応する時間領域のPVS群の出力変動の影響は限定的な可能性があることを示した。 また、地域メッシュ統計に基づき任意の地域における住宅用PVS賦存量を算定する際の精度向上のための基礎的検討として、名古屋市全域における100m×100m単位の24,566区域を対象とし,各区域について建物構成や都市計画を考慮して現状および将来における戸建住宅屋根面の日照条件を推定し,実質的な戸建住宅用PVS導入可能量を算定した。その結果,PVS導入可能量は,日照条件を考慮せずに単純に戸建住宅の総建築面積に基づき算定される値から約10%減少し,将来的な日照条件の悪化を考慮すると約20%減少することを明らかにした。
|
Research Products
(7 results)