2011 Fiscal Year Annual Research Report
都市全体における面的な太陽光発電出力変動特性の算定手法の開発
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21360127
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
加藤 丈佳 名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (90283465)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴置 保雄 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (10115587)
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Keywords | 太陽光発電システム / 日射量 / 平滑化効果 / 電力系統 / 負荷周波数制御 / 電源計画 / 統計解析 |
Research Abstract |
研究協力機関より提供を受けた中部地域61地点の日射量データを解析し、特に短周期変動の独立性に着目して、1観測点の日射量が代表できる空間的範囲を評価した。その結果、30分程度の短周期変動特性については、半径15km程度の範囲であれば、1/√N則を適用して1地点の観測データで代表できることを確認した。また、その結果を考慮し、遷移仮説を応用して観測点周辺の日射変動平滑化効果を表すローパスフィルタを構築し、中部地域全体の空間平均日射量の変動特性を評価した。その結果、2時間窓における最大変動幅が400W/m^2以上となる日が年に6日存在することがわかった。また、長期間の統計的評価のため、アメダス日照時間を用いて同様の検討を行い、過去20年間において、最大変動幅が大きな日の発生日数は,年によってやや異なるものの,毎年数日程度であることがわかった。 また、全天雲画像の撮影を開始し、全天雲画像による空間平均日射量の把握を試みた。その結果、彩度を基本情報としつつ、色相を用いて彩度の低い青色を空と判別、明度を用いて太陽を空と判別することで、空と雲とを識別(画像の二値化)できた。その結果に基づき、太陽を中心とする半径300px内の雲量と全天雲画像の撮影地点を中心とする8km四方の10地点で観測した日射量のアンサンブル平均値との相関を評価し、雲量から地上の空間平均日射量をリアルタイムで推定する手法の開発を試みた。その結果、雲の移動によって日射量が大きく変動する日についても、概ね適切に空間平均日射量の変動を把握できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1/√N則および遷移仮説を応用したローパスフィルタモデルにより、広域の空間平均日射量の変動特性を評価する手法を確立でき、研究はおおむね計画通りに進展している。また、全天雲画像を用いて狭域の空間平均日射量を推定する手法についても、おおむね確立できた。
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Strategy for Future Research Activity |
ローパスフィルタモデル(LPF)を用いた広域の空間平均日射量の変動特性評価について、季節や天候別にLPFを構築し、より詳細な評価を行えるようにするとともに、MSM-GPVデータや全天雲画像を用いた日射予測モデルを構築し、空間平均日射量の大きな変動発生の予測の可能性を検討する。また、アメダス日照時間データを用いた変動特性の評価について、10分値データを用いることで数十分周期の変動特性についても統計的評価の可能性を検討する。一方、全天雲画像による狭域の空間平均日射量を推定する手法については、複数の画像撮影を用いて雲の高さ情報を取り入れ、推定精度の向上を図る。
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Research Products
(26 results)